以前の記事 ( → こちら ) でも一度ご紹介した事がありますが、知る人は知っているホラー漫画界の第一人者ともいうべき永久保貴一さんという漫画家さんがいらっしゃいまして 、その方の手になる過去の実話系ホラー漫画の連載を纏めた新刊コミックが絶賛発売中のようであります。
上のコミックは、一応は同 ( 『 永久保怪異談 』 ) シリーズの第③巻目に相当しているものなので、上には便宜的に “ ③ ” という巻数表示を付けて表記しましたが、厳密には “ ③ ” という巻数表示はありません。
まぁ、これはおそらくは、同 ( 『 永久保怪異談 』 ) シリーズの①と②がすでに絶版か実質絶版扱いの品切れ状態で、もう増刷する意志はないよ・・・、という意思表示のつもりなのかな、かな、とは思いますが、紛らわしい限りではあります。
上のコミックのあとがきに相当する 「 酒呪雑多 」 という書き下ろしまんがのコーナーの冒頭において、永久保さんご自身が、“ アマゾンで 『 永久保怪異談 』 が中古で 1500 円 シリーズ 2 巻目の 『 スピリチュアルを斬る 』 が 1000 円です ” と報告されているのを見ても、同シリーズの①②巻が欲しい人はもう中古で手に入れてね、という感じが伝わってきます ( もっとも、永久保さんの書き方を見てみると、やはり正式には 『 永久保怪異談 』 シリーズの第①巻相当が 『 永久保怪異談 』 で、第②巻相当が 『 スピリチュア ルを斬る 』 、そして、第③巻相当が今回の 『 パワースポット交幽録 』 というタイトル、という事で、これは 『 魔百合の
それはともかくとして、こちらの作品は、現在は 『 実際にあった怖い話 』 ( 通称 『
この 《 永久保怪異談 》 シリーズは、初期は別としてシリーズとして定着してからは、主にH師匠と呼ばれる ( 後に “ ほしのさん ” とも呼ばれます ) 異端の気功師 ( ♂ ) と稲葉朋子さんという女性霊能者さんがメイン・キャラクターとして登場しているシリ ーズで、私は特にその内のH師匠の独特な気功的理屈づけに引かれてこのシリーズを愛読していて、この漫画のためだけに 『 あな
もっとも、社会的な常識を著しく欠いた 『 あな
そんな折り、ふと立ち寄った書店の店頭で何気にこの本が棚に並べられているのを見つけて早速購入してしまった、というわけでもあります。
私がこの漫画を愛読している最大の理由は上にも書いたように主要な登場人物とでも言うべきH師匠にあるわけなのでもありますが、 実はこのH師匠という方も、古くからの永久保ファンの間ではかなり評判が悪いらしく ( 2 ちゃん調べですが
) 、実際に厳密に読んでいくとかなり胡散臭いと言うか如何わしげなところがあったりする事も事実ではあるのかな、かな、とは思います。
それでも、 “ 気 ” という概念をベースにして展開されるH師匠のある意味ドライで唯物的な世界観は私の好みにマッチしていて、 その世界観はある種 20 世紀のオカルト・シーンに登場したスターの一人とも言える高藤聡一郎仙人を髣髴とさせると言うこともできるのではないか、と思えるほどなのでもあったりします。
トータルで 『 永久保怪異談 』 というシリーズを見てみると、やはりどうしてもこのH師匠と稲葉さんという女性霊能者さんのお二人がメイン・キャラクターになってくるのかとは思うのですが、この二人とも実は『 永久保怪異談 』 シリーズの開始当初からの登場人物というわけではありませんでした。
稲葉さんは第 3 回からの登場で ( きっかけは雑誌編集部への投稿です ) 、H師匠にいたっては第 3 回から登場し始めた稲葉さんに対して何かアドバイスできる事があるかもしれないよ、という投書を雑誌編集部に寄せる形での第 6 回からの登場という事になっています ( どちらの回数も単行本収録ベースでの話です ) 。
実は 『 永久保怪異談 ③ パワースポット交幽録 』 を購入してから、ふだんはあまり覗くことのないネット上の某掲示板の関連する場所を覗いてみたら、最近になってこのH師匠をかの苫米地阿闍梨に比定しようとする怪しげな流言を飛ばしている輩の発言があるらしいのを目にして唖然としたのですが、上のようなH師匠の登場の仕方を考えてみれば、H師匠がかの苫米地阿闍梨だなどという妄言のいかに荒唐無稽であるかという事が想像できるのではないか、と思います ( ← 誤解の無いように補足しておくと、 「 H師匠を苫米地阿闍梨なんかと一緒にするな 」 という事ですからね
) 。
また、漫画上のH師匠の顔などの風貌の描写が苫米地阿闍梨にそっくりだ ( だからH師匠は苫米地阿闍梨なのだ ) などという馬鹿げた発言などもあったりするようなのですが、そのような方は 『 永久保怪異談 』 における次のような記述をスコトーマ (
) として排除されてしまっているのでしょう。
| 永久保 | 「 顔はそっくりに描いてもかまいませんか 」 |
|---|---|
| H師匠 | 「 あっ いえ 地獄ちゃんに出ていたマスターにでもしといてください 」 |
| ( 中略 ) | |
| 永久保 | 「 なんのマンガなんだかわかんなくなっちゃうので微調整しますね Hさん 」 |
| 『 永久保怪異談 』 pp.202 - 203. ( ぶんか社 / 2006 年 ) |
|
ある意味で苫米地阿闍梨に似ていると言えない事もない 『 永久保怪異談 』 中におけるH師匠のロン毛オール・バックの風貌は、そもそもH師匠の実際の風貌を写実的に描いたものなどではなく、H師匠の意図的な希望に沿う形で創作されたものなのだ、という事が、H 師匠の登場時点で極めて明確に示されているにも関わらず、漫画における作画上の風貌が似ているからなどという馬鹿げた理由にもならない理由でH師匠を苫米地阿闍梨に比定しようとするあたりは、さすがにカルトに洗脳されやすい方々だけの事はあるなぁ、と感心するべきところ、なのかもしれません。
カルトに洗脳されるような方々 ( あるいはカルトに洗脳されてしまいやすい方々 ) というのは、目の前にある明々白々な事実というものをスコトーマ (
) だのなんだのと称して自ら排除してしまって、往々にして自分勝手で非論理的かつ非合理な論理もどきを構築 してしまうものなのでもあるのでしょう。
まぁ、それだけ
・・・。
でも、・・・、H師匠の “ H ” が苫米地 “ 英人 ” の “ H ” だったりしたらどうしましょう・・・
・・・、って、まぁ、冗談はさて置くとして、それはともかく、少し残念な事はそんなH師匠が、たとえ “ アドバイスする側 ” とは言え “ あの ” 今では 故人を自称 しているF・P氏と関わりがあった、という事で、この一点のみは 『 永久保怪異談 』 中において明らかにされている様々な事実 ( と して叙述されている様々なエピソード ) の中でも唯一、H師匠の信頼性に若干の瑕疵を与える事にならざるを得ない面がある事であると言うことができるものなのではないか、とは思います。
| 永久保 | 「 え~と ピートさんのお知り合いとうかがっているんですが・・・ 」 |
|---|---|
| H師匠 | 「 はい 気の使い方のアドバイスやたまに相談にのっています 」 |
| 『 永久保怪異談 』 p.202. ( ぶんか社 / 2006 年 ) | |
まぁ、それでも、H師匠ご自身がF・P氏の “ 故人自称 ” 疑惑に関連して 「 さようなら フィガロ・ピートさん 」 というブログ記事を単発でエントリーして決別宣言をされてはいるみたいですので、それで良しとでもしておきましょうか・・・。
・・・、というか、おそらくは書き捨てのつもりと思われる上 の記事本文を読んでみると、 『 永久保怪異談 』 シリーズにおける師匠の描写とは裏腹に、あのH師匠がなんか随分と面倒見のよさ気なおっさんのように思えなくもないのですが、それはH師匠があのF・P氏をそれだけ “ 可愛いい ” と思っていた 、と言うことででもあるのでしょうか。
私には、少なくともあのF・P氏の ( 今はどうなっているのか分かりませんが ) ホーム・ページ上における記述を見る限りにおいては、とてもF・P氏がまともな人物であったとは思えないのですが、まぁ、それでも年長者から可愛がられる奴って世の中にはいますからねぇ~。
可愛い気のないままに年を重ね暮らしてきた私などからすると、なんとも羨ましい限りではあるのかもしれません。
いずれにしても、そんなH師匠と “ 太陽さん ” に守護された霊能者・稲葉嬢の活躍を満喫することのできる 『 永久保怪異談 ③ パワースポット交幽録 』 が、やはりただ今絶賛発売中であります。
・・・、 「 永久保さん、一体どうしちゃったの? 」 と心配する昔なじみのファンの方の気持ちも ( 個人的には ) 分からなくもない部分がない事もない、というのも一方の気持ちとしてない事もないのではありますが、それでも大丈夫!
税込みでたったの 620 円というお買い得値段で発売中ですから、ぜひ書店に走ってお買い求め下さい。
マンガを読むだけならば、決して勧誘されたり折伏されたりする危険もありません。
