数年前の話なんだが…友人「比呂さん」から、「スラッキーギター」なる音楽を紹介された。

実は比呂さんと共通の某セミナーで、比呂さん自らの演奏で聴かせて頂き、その柔らかさと心地よさに一発で虜になってしまった。

比呂さんは乞われて本場ハワイまでスラッキーを演奏しに行くほどの奏者(プロ?)で、セミナー開催日に「ぜひ聴かせて下さい!」ってお願いしたら、わざわざギターを持参して下さって、ランチタイムに数曲ご披露して頂いた。

経営者ばかりの集まりだから、普段はキンキンしている空気が一瞬にして和やかになる。
みんな、優しい顔になって。


「なんでこんなに気持ち良いんだろう…」と尋ねると…


この音楽、そのハワイが発祥だそうで…

昔々、ハワイに牛が増えちゃってどーしよーもなくなって、スペインから牧童に大勢来てもらい、牛を管理(?)してもらったそうな。

そのスペイン牧童が持ってきたギター。
1日の仕事の後で、焚き火を囲みながらポロポロと爪弾き、あるいは故郷を思い出し、或いは母国で待つ恋人に歌を捧げていたのかもしれない。

牛の数が落ち着き、牧童たちが帰国した後、ギターは残った。

ハワイの人たちがこの残されたギターを持ち、

「さて、どうやって弾くんだろう??」

ギター教本も、ギター教室も、ましてや今のようなMP3音源などない年代のお話、彼らは

「自分の声にチューニングを合わせた」

そうな。

スラッキーの「ファミリー・チューニング」というそうで、それこそ思いっきり沢山ある。

普通、ギターを始める時に最初に習うのが「A(=ラ)」で5弦を合わせ…のスパニッシュ・チューニング。

ハワイの人たちは「そんなん、知らんもんね」で、自分の声に合わせて6弦全部をチューニングしたそうだ。


で、この「スラッキー」。
曲の構成は至ってシンプルで、スパニッシュのような情熱的な激しさは感じられない。


が、聴いていると、風景が出てくる。


・晴天の白い浜辺で、波が静かに打ち寄せている。足元に白い貝殻が落ちている…

・群青の水平線に、今まさに太陽が沈もうとしている…

・真っ直ぐなパイナップル畑の道を歩いていく彼方に、入道雲がかかっている…


勿論、作曲者の意図と私の感想になんの繋がりも、関連もない。ただ、そう「感じる」
ゆっくり、ゆっくり。


小難しいメソッドや教則に従った運指など全く関係なしに、彼ら自身が「気持ち良い」音楽を奏でた…って感じで、なんともリラックス出来る。

バロックとは違った、新鮮な安らぎとでも言おうか。


これ、自分で弾けるようになったら気持ち良いだろうなぁ。

新しい出逢いをくれた比呂さんに感謝。