奇遇です | 転妻よしこの道楽日記

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「アイーダ」東京ドーム公演中止 チケット販売低迷で(朝日新聞)
『【神庭亮介】東京ドームで9月17~18日に予定されていたオペラ「アイーダ」(読売新聞社、オペラアイーダ実行委員会主催)が中止になった。関係者によると、チケットの売れ行きが低迷する一方、予算が当初の想定以上に膨らみ、採算がとれなくなったという。チケット代金は、プレイガイドを通じて全額払い戻す。』『中止になったオペラは、北イタリアにあるベローナ劇場の引っ越し公演。映画監督としても知られるフランコ・ゼフィレッリが演出、ベローナ劇場常任指揮者のダニエル・オーレンが指揮を務める予定だった。出演者にも、将軍ラダメス役のロベルト・アラーニャや、王女アイーダ役のフィオレンツァ・チェドリンスら人気歌手が名を連ねていた。』

宝塚ファン的には、これ、わたるちゃんのラダメスですんで(殴)。
新公は、れおん(柚希礼音)くんだったよね。
とうこ(安蘭けい)ちゃんがアイーダで、
ダン(檀れい)ちゃんのアムネリスが、それはそれは綺麗だったよねぇ…
(宝塚歌劇団2003年星組公演『王家に捧ぐ歌』)。

……という話は、ともかくとして。
記事だけ読むと、やっぱ不景気なのかね~と思うところだが、
調べてみたらこのオペラ、値段が凄かった。
一番高い席がなんと7万円!!
そのあとが、5万円、3万円、1万8千円、8千円。
歌舞伎座の○月大歌舞伎などでも三等Bを手に入れるのが最も難しいが、
ここでもやはり1万8千円と8千円の席が激戦区だったのだろうか(^_^;。
シんでも聴きたいようなマニアは別として、
「いっぺんオペラ観てみたいな~と思って」
という程度の聴き手は、これでは到底手が出せないだろう。

『世界のどこよりも日本の音楽会のチケットは高い、
あんな値段だからクラシック音楽が普及しないのだ、
もっと気軽に聴ける演奏会でなくてはいけない』、
……とバブルの頃にヨーロッパ帰りの友人が言っていたものだが、
あれから、そのあたりは改善されたと言えるのだろうか。
私はオペラを聴かないし海外に行ったこともほとんどないので、
どうも相場がよくわからないのだが、
こういう企画の場合、7万円、5万円、あたりの設定は、
欧米の感覚で言うと、「アリ」なのか???

しかし、このニュースが私の目を引いたのは、実はそれが理由ではなかった。
『ベローナ劇場常任指揮者のダニエル・オーレンが指揮を務める予定だった』、
だ、ダニエル・オーレンだと!!
私は、この人の名前を四半世紀前から知っている!!
こんなところでお目にかかろうとは。
そうだったのか、ベローナ劇場常任指揮者……。
ダニエル・オーレン(指揮)(2013 Opera AIDA in Tokyo Dome)

オペラを聴かない私が、どうして彼の名前でこんなに盛り上がったか。
それは、……言うまでもない、ポゴレリチが彼を褒めていたからだ。
81年6月、ロンドンにおける、中矢一義氏によるインタビューの中で、
初来日前だった若きポゴレリチは、『理想的な型での共演の経験』として
ダニエル・オーレンと協奏曲を作り上げたときのことを語ったのだ。
以下、当時の記事から、ポゴレリチの言葉を引用すると――

『すばらしい指揮者がいます。ダニエル・オレンといって25歳。16歳のときにカラヤン・コンクールに入賞した男です。1978年彼が22歳、ぼくが18歳の折りに一度共演したことがあります。彼のマネージャーは彼を気違いだと言って嫌っています。やたらリハーサルの時間を要求するからです。そのときも、メンデルスゾーンのコンチェルトをやりましたが、最初のリハーサルは、第二楽章だけで四時間かけました。そのお蔭で、その後はピッタリと寄り添うことができました。第二楽章だけで四時間ですからね。とても要求の厳しい指揮者ですが、ぼくはそういうタイプの音楽家が好きです』(レコード芸術1981年9月号p.242)

年号や数字などが極めて正確で、実にポゴレリチらしい喋り方だ。
念入りの極みのようなポゴレリチが、これほど感銘を受けたとは、
オーレンはよくよくの指揮者だったのだということがよくわかる(汗)。
おそらく今も、妥協を知らない指揮者であり続けているであろうオーレンは、
今回、どのようなアイーダを作り上げるつもりだっただろうか。
純粋に音楽という面からは、公演中止というのは、
やはり大変残念な出来事だったと(私のような者でも・殴)思う。