昨日は、菊地裕介&松元綾 ピアノデュオコンサートがあって、
午後から広島県民文化センターまで行った。
この演奏会のことは友人某氏から教えて貰って知ったのだが、
行ってみたら満席のうえ立ち見の出ている大盛況だった。
公演の前評判が高かったのも理由だと思うが、それに加えて、
これが広島デビューとなる松元嬢への、地元からの熱い支援を感じた。
私はひとりだったので、場所はどこでも良いと思い、
最初、上手寄りに空いている席をみつけて適当に座ったのだが、
隣が体の大きな男性客で、肥満体の私が並ぶと窮屈過ぎたこと、
また、反対隣にぴょんぴょん動き回る小さいお子さんがいたこと、
更に、私の前の高齢男性が、プログラムを丸めて右手に持ち、
演奏中も延々とそれで自分の頬を叩き続ける人だったこと(爆)、
と、なかなかの悪条件が重なり、前半は忍耐を強いられた。
折悪しく、前半の演奏曲目がまた、
松元綾嬢が ラフマニノフ:ピアノ・ソナタ第2番、
菊地裕介氏が リスト:ピアノ・ソナタ ロ短調 で、
……一年前、ポゴレリチの強烈な演奏に出会ってしまったせいで、
私にとっては平常心で聴くことができなくなっている二曲だった。
なんでまた、この二曲が並んでしまったんだ(T_T)。
強いて言えば、松元嬢のラフマニノフには、
ときどき、はっとするような物凄くイイ音がきらめいていたこと、
菊地氏のリストは、私が想定していたより深刻でない曲に聞こえたこと、
くらいしか、今、思い出すことができない。
やはり、聴くときの外的な状況と、
聴き手としての内面のコンディションは大事だ(汗)。
これは私のほうがモたない、と観念して、
後半は自主的に席を立ち、私は立ち見客になった。
会場の一番後ろか、出入り口付近、あるいは両サイドの壁際など、
立つところはいろいろあり、演奏中にうろうろしないのであれば、
こうした場所のどこを選んでも許される雰囲気だったので、
立ち見のほうが昨日の私にとっては快適だった。
また、立てば視点が上がってステージ全景が見えるし、
後ろほど、音の左右のバランスが良いという点も良かった。
後半は二台ピアノで、
ルトスワフスキ:パガニーニの主題による変奏曲
ドビュッシー作曲、ラヴェル編曲:三つの夜想曲
ストラヴィンスキー作曲:ペトルーシュカからの三楽章
という構成になっており、アンコールは連弾で、
ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
が演奏された。
私の状態が改善したので、主観もあるだろうとは思うが、
後半のほうがおふたりのエンジンも全開になり、
前半より自由にのびのびと演奏されたのではないかと思った。
また、昨日は松元嬢の地元デビューだったためか、
後半の三曲はすべて菊地氏がセコンドで、
演奏全体を支えることに徹していらしたという印象だった。
ショパンその他の人気曲でサービスをするような面が全くなく、
小さい生徒さんにはいささか大変な内容だったかもしれないが、
そうそう聴けないようなプログラムで、意欲的なものだった。
松本嬢はほっそりした女性なのに、パワフルな演奏で、
思い切りの良さがリズム感の冴えになって現れていた感じがした。
ラフマニノフでの「イイ音」も忘れ難いし、
次の機会があればまた聴かせて頂きたいと思った。