2008年10月から、某所で漢詩鑑賞を習ってきたのだが、
このほど、来月いっぱいでこの会が解散することになった。
理由は、これまでご指導下さっていた先生が、
ご高齢(数え年で87歳)のため、引退をお決めになったからだった。
先生は、いつもとてもお元気そうで、
私にとっては初めてお会いした四年前と今とで、
少しもお変わりになったようには見えないのだけれども、
先生ご自身、大きな声が出にくい等の体力の衰えを感じていらっしゃり、
また、夫人や娘さんたち御家族も、とてもご心配になっているとのことで、
定期的に指導に出て来る生活には、申し訳ないが区切りをつけたいと思う、
というお話が、きょう、あった。
私たち生徒のほうも、そのようなお話があっては、
もう、何を申し上げるということもなかった。
寂しくは思うけれど、先生がお考えの末に決定されたことではあるし、
先生の御年齢を思えば、よくぞここまでご指導下さったと、
心から御礼を申し上げなくてはならないと思った。
先生とともに長く勉強して来られた生徒さんが多くいらっしゃる中で、
私などは、ここ、ほんの四年ほどの関わりに過ぎなかったが、
大変多くのことを教えて頂いたと思うし、大いに啓発され、
漢詩の世界への手ほどきを実に丁寧にして頂けて、幸せだった。
「漢詩を読んだり、漢詩を作ったりする勉強は、
これから家にいても出来るので、続けて行きます」
と先生は仰った。そして、
「皆さんも、ときどきはプリントを取り出して、思い出して下さい」
とも。
実質、まだあと二回はこの会が開かれることになっているので、
その時間を、より大切に過ごしたいと思った。
来月の最後が、先生の最終講義になると同時に、
私たち全員にとっても、その日が互いのお別れ会になるのだ。
それから、先生はいつも通りに、李白と杜甫のお話をして下さり、
更に、漢詩をやったと言うにはこれをしなくては、と
白居易『長恨歌』を解説して下さり、全員で読んだ。
帰り際、私の前の席のおばあちゃま(この方も80歳超でいらっしゃる)が
ウフフと振り返って、小さな紙片を私に下さった。
開いてみると、美しい手書きで、
『ひとり去り ひとり往きなむ 現世(うつしよ)に
一期一会の 思いは深し ――読み人知らず
(あなたに会えて幸せです!)』
と書いてあった。