「それで、大丈夫なんですか、その後」
と私の心身の具合を訊ねて下さるメールを、
このところ複数頂戴した。
『その後』とは勿論、『ポゴレリチの演奏会後』、という意味だ。
熱出したか・風邪ひいたか、というレベルでは、今回は大丈夫だった。
2010年とは彼の演奏の質がかなり違ったお蔭だろう。
彼の毒に当たって寝込んだ、ということは、とりあえず無かった。
しかし長引いている、という意味ではやはり今回も重症だ。
私は未だに、5月4日以前の自分の感覚を、ほとんど取り戻していない。
明らかに、ポゴレリチの演奏があまりにも強烈だったせいだ。
だがもう、この雰囲気に飲まれたままでは、私は終わってしまう。
もともと無芸大食だったのに、ますます異次元に行ってしまって、
そろそろモトの生活程度は取り戻さないと、私は事実上の廃人だ。
そう思って先週は手始めに、とにもかくにも漢詩の会に出席した。
今週も行くぞ!
孟浩然の出だしに白居易をくっつけて暗唱したって、それがどうした!!
折しも、先週はピアノの先生からもメールが来て、
「レッスンは6月の第二週から四回でいいですか?」
と訊かれた。
5月は私があまりにも壊れて、ずっと休んでいたのだ(汗)。
仕方がないから、この週末からピアノも弾くようになった。
ええい、この際、目の前のモノをピアノだと思わなければいいんだ。
ボケ防止の指先トレーニングだと思って弾いていれば、
そのうち、また何か戻って来るものがあるだろう。
ということで今はハノンの30番を変ロ長調に移調して練習している。
とてもやりづらくて、どこかM的な快感があって良い(爆)。
それに調性が下がると、変にムーディになってハノンじゃないみたい。
いいよ、この気色悪さが。
それから、仏検の勉強も一昨日から(殴)ようやく再開した。
というか、ここでやらなかったら、さすがにアホだ。
もう、試験は今月後半に迫っているのだ。
前回もやった『仏検対策2級問題集 これで合格!』(白水社)を
「1.前置詞選択穴埋め問題」から再度やり直している。
半年前と同じものを間違え、同じ単語を辞書で調べている自分の頭は、
本当に本当にザルであることを痛感したが、しかし、
『私は今、以前と同じ単語を性懲りもなくまた調べている!』
とわかっただけでも、初回よりは進歩したと思うべきだろう(泣)。
昨日、6月の博多座大歌舞伎の検索をしてみたというところも、
私が回復への足がかりをつかみかけている証拠のように思われる。
相変わらず、音楽とくにピアノを聴きたいという気持ちは、
全く、これっぽっちも今は無いのだが、
歌舞伎ならいいかな、という感覚は戻ってきた。
舞台の臨場感の中で、何時間か過ごすのは良いものだ、
と私は思い出すことができたようだ。
……思い出さないほうが家計のために良かったことは、明白なんだが。
そして明日は、実家母の通院介助がある。
またしても、80歳超夫婦(必ず二人で来る・笑)と総合病院耳鼻科に行くのだ。
予定時間より、カルく30分以上前に待ち合わせ場所に到着した上で、
腰が痛い・膝が笑う・耳が鳴っている・歯が取れた、
等々の、大音量の話を半日聞いて、こちらも負けじと大声で喋り、
実家の裏山の造成が、依然として終わっていないので、入る墓がまだ無い、
といういつもの話を復習した上で、
最後はデパ地下で大量に買い物して帰ることになるのだろう。
つまり、こういうものこそ私にとって本来の、とても有り難い日常だと、
感謝せねばならない、ということだ(笑)。