転夫ころもんは、生え際の魔術師のワザを長年、顕示して来ており、
近年は更に腕を磨いている。……磨かざるを得なくなっている(汗)。
転夫「いっそ全部剃ろうかな~とも思うんじゃけど、勇気要るしなぁ」
転妻「わたしゃスキンヘッドは嫌いじゃないけども。
んだけど、頭髪を気にして全部剃るってのは、潔いように見えて、
その実、大変に見苦しい、という意見もあるのよ」
転夫「ほほぅ?」
転妻「本で読んだ意見なんやけどね。髪が薄くなったからって剃り上げるのは、
要は、そうせざるを得ないほど、髪が少なくなったことを気に病んどるわけよ。
ちっとも解脱できとらん証拠だ、と」
転夫「確かに、そりゃそうやな。ハゲの中にハゲを隠したに過ぎん。
隠さんと自分のハゲに耐えられん、ということだよな」
転妻「そうそう。んだから、その人の意見によれば、
スキンヘッドにしたりバーコード頭にしたりするのは、見苦しい抵抗なわけよ。
そうじゃなく、頭髪から自由になってる人は、髪が多かろうが少なかろうが、
最初から最後までずっと、あるがままで居られる、ってことだそうだよ」
あるが、まま。
転夫ころもんは考え込んだ。
転夫「しかしな。ワシ、あるがままでは外に出られん」
転妻「そうなのか?」
転夫「散髪屋で整髪の途中のときなんか、鏡、見よってワシ、絶望的になるよ。
だって、鏡の中のワシ、まさに落ち武者じゃもん」
転妻「(^_^;」
転夫「ああいうときに、『もし今ここで、火事になったら!』って考えたら
ワシもぅ、本気で恐ろしいよ~(T_T)」
そうだなぁ。
燃え始めた理容室から、まとまっていない髪をなびかせ、
懸命に逃げるころもんの頭部は、遠目に人魂か何かのように見えるかもしらんね。
まあ、とりあえずこれまでのところ、有り難いことにそのような憂き目を見たことはなく
(片テクノカットにされたことはあったが)、
ころもんは散髪に行った日には、プロの理容師さんの手によって、
頭髪を巧みにセットして貰って、それなりに男前を上げ(^_^;、無事に帰ってきている。
しかし将来的に、「バーコードもスキンヘッドも見苦しい」という説を受け入れ、
あるがままに整髪するとなると、これはいよいよ、
ころもんに適したスタイルは月代(さかやき)しかない、ということに、なりそうだ。