再び、ほんやくコンニャクな一日だった。
昨日からほぼ一歩も、外出していない。
全部で12ページある論文のうち、きょうまでで9ページ半和訳できた。
このあと夜なべするかどうか、悩ましいところだ。
というのは、明日から家族旅行で九州方面に行かねばならないからだ。
私は変なところで「ちゃんとしたい」性癖があって、
しなくてはならないことを半端に残したまま遊びに出たくないのだ。
そんなことをして遊んでいても、心が解放されず、楽しくないからだ。
しかし、このまま徹夜しても、それだけで終わらせることは難しいだろうし、
眠い頭では到底耐えられないような内容だから、
旅行前に全部和訳を仕上げてすっきりして出る、というのは諦めなくてはならない。
訳のほうの締め切りは5月15日だから、間に合うのはほぼわかっているのだが。
前後の詳細は書けないが、そもそも最初にこの和訳の話が来たときには、
「だいたい、どういう内容が書かれているかがわかればよい」
という説明だった。だから私は内輪の話だと思ったし、割と軽く考えていた。
しかしほどなく、依頼者の本当の事情はそんな簡単なものではなくて、
私の作る和訳は、正式な会議資料として添付することになる書類であり、
その前の段階では整形外科医に見せて意見を貰うことになっている、と判明したのだ。
おまえ、いい加減にしろ!と私は噴火しそうになった。
ごく私的な話として「意味内容がだいたいわかればいい」ということなら、
例えば、「背骨の両側についている筋肉」程度でも済むところだったのに、
正式な会議資料になり、医師の目にも触れるとなれば、
曖昧なところのない完全な逐語訳をしなくてはならないし、
「傍脊椎筋」などという、日本語で医学用語として決められている名称まで、
きちんと調べて訳に入れなくてはならない。
このために私の手間は一気に四倍くらいになった(涙)。
検索を重ねているうちに、英和医学用語集(Weblio)に出会い、
こいつは優れものだ、と知ったのは収穫だったけど(苦笑)。
論文の字は小さく、コピーなので印字の状態も良くなく、一部は完全につぶれている。
老眼がひどいので、そのままでは全然見えないから、めがねをかけたり外したりが大変だし、
文字のつぶれているところは、前後から類推しなくてはならない。
普通の英語ならまだしも、上顆だの僧帽筋だの転子だのという英語なんて、
文脈から類推してどうにか出来るレベルを超えている(号泣)。
英語を読む以前の作業が、このように大変なものではあるのだが、
一方で、英語そのものは学術系だから、別に修辞に凝っているわけでもなんでもない。
だから、これを和訳することで、私の英語力が向上するとは到底思えないが、
かわりに、私の忍耐力は飛躍的に伸びた自覚がある。
一行読むのに十数回も辞書を引かねばならない外国語を、読み続ける根性というのは、
なかなか、普通に暮らしていて養成できるものではないと思うぞ(泣)。