楽器店でグランドピアノの試弾会をやっていたので、行った。
YAMAHAのC6XA・C5L・C3XA・C3があって、
平日昼ということで空いていたため、
それぞれほぼ15分ずつ、全部弾かせて貰った。
うちのアプライトではいくら強打しても頼み込んでも、
私が耳の中で待ち望んでいるような音は出ないのだが、
C6XAほどの楽器となると、私程度の腕前でも、それなりにイイ音がした。
バレンボイムもどきの遙か手前くらいの出来映えだったが、
そうだ!こういう感じだ!と、良い気分で納得できるような、
充実したフォルティシモの和音が、ちゃんと鳴った。
こういうふうに鳴って!と願ったら、楽器のほうで私の微妙な変化を捉えて、
過不足なく応えてくれる、というのは、実に素晴らしいことだった。
アレだ、ボーゲンしかできない初心者でも、志賀高原に行けば、
ラクラク滑れるようになったと錯覚できる、スキーの話と同じだ。
広島の芸北だと、全然思い通りに降りられないのだ、
私みたいにヘタな人間は(←実話)。
ただ、C6XA・C5Lの二台は防音のレッスン室に置かれていたので、
一般の住居より広いとは言え、楽器の近くに壁や天井が来ていて、
弾いた音が細大漏らさずダイレクトに返ってくるのが、良し悪しだった。
どんな些細な音でも全部耳元に戻って来るのは、大変有り難いことではあるが、
本来的な「演奏」というのは客席のあるところでするものだろうから、
狭い場所に籠もって弾いて、自分が聴いて「良し!」と思う音が、
演奏会の場で本当に良いものなのかどうかは、また別の問題だろう。
少なくとも私は、間近で鳴っている音がホールならどう響くものであるか、
頭の中で変換できる能力はないし、そのような経験も積んでいない。
その点、きょうのC3XAとC3の二台は、楽器店内のフロア突き当たりの、
「サロン」と呼ばれる広い場所に並べて置かれていたので、
こちらのほうでは、空間的広がりの中で響く音を捉えることが出来た。
狭いレッスン室で反射するように響く音の中で30分過ごした後だったので、
サロンに出てきたら、一瞬、耳にフィルターが入ったかと思ったくらい、
同じ曲(ベートーヴェンのソナタ5番の第一楽章)でも響きが違った。
しかし慣れたら、こちらのほうが本来の響き方であり聞こえ方だろう、
ということが、分かってきた。
標準的なピアノだとは思うが、私は案外、C3が気に入った
(概ね、数字が小さいほど楽器サイズも小さく、値段も安くなる)。
勿論、調律の仕方や置く場所によっても随分違って来るだろうけれど、
弾いた感触と、返ってくる音とが、自然に咬み合っていて、
感触の掴みやすいピアノだと思った。
ベートーヴェンのほか、モーツァルトのソナタなども弾いて遊んだ。
試弾終了後にアンケートがあり、弾いた型番、感想、などを
無記名で答えるようになっていた。
C6XAが素晴らしかったことを大書しておいた
(商品サイト:YAMAHA C6XA概要(ヤマハ株式会社))。
また、『価格について』という項目があったので、
遠慮無く『高い』に○をつけておいてあげた(逃)。