エリザベト音楽大学セシリアホールで、
エリザベト音大創立記念 横山幸雄氏ピアノリサイタルを聴いた。
横山幸雄オフィシャルサイト
前半が、ベートーヴェンのテンペスト、
ドビュッシーの「ヴィーノの門」「ラヴィーヌ将軍」
「オンディーヌ」「花火」、それに「喜びの島」、
後半が、ショパンの「24の前奏曲」全曲。
先日来のいろいろなことにより、きょうは私の心が閉じていたので、
せっかくの演奏会に浸りきることは出来なかった気がするのだが、
横山氏の、スケールの大きな、かつ気品に満ちた演奏は、
やはり素晴らしかった。
気力体力の充実した、男性演奏家らしい演奏で、
音楽に生命力が溢れていた。
名前を知るようになって久しいし、既に大学教授の地位もあり、
トップアーティストとして認識していたが、
このかたはまだ、三十代の、若い演奏家でもあったのだ。
どの曲も流れるような勢いがあり、
速さに少しも無理がないどころか、余裕さえあった。
実際には、私が体感していた以上の
速いテンポで弾かれていたかもしれない。
24の前奏曲など、完全に一曲として構成されていて、
曲と曲との繋がりや間合いまで計算しつくされた演奏だった。
こういうことは、体力に不安のある演奏家では絶対に無理だ。
アンコールは三曲あって、
ショパンの「子守歌」、ラヴェルの「水の精」、
それにブラームスの「間奏曲 作品118-2」。
前奏曲からの流れでショパンの変奏曲につながり、
同じ「オンディーヌ」をドビュッシーとラヴェルで聞き比べ、
おしまいに過ぎ来し方を省みるようなブラームスでお別れした、
という感じの構成だった。
大変な力量に圧倒された演奏会だったが、
最後に、なんだか慰めて貰ったような気分になった。
ブラームスは、孤独な音楽だったが、
それだけに、静かで、染みわたるようだった。
一対一で、お話を聞かせて頂いているような感覚さえあった。
きょうの私には、こういう時間が必要だったのだなと思った。
自分勝手な感慨だが、横山氏には心からお礼を申し上げたい。