改正薬事法 | 転妻よしこの道楽日記

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国民年金の考え方や扱いがあまりにも無責任だったのではないかとか、
強引に導入したメタボ健診に果たしてどれほどの意味があるのかとか、
新型インフルについて、感染の恐怖ばかりを刷り込むことで予防を訴えたのは、
つまるところ対策ミスというものだったのではないか、等々と、
昨今、政府とくに厚労省に対して、疑問や不快感が募っていた私だが、
きょうから施行される「改正薬事法」に至っては、
もう、本当に首をかしげてしまう内容だと思っている
(実は私は、これが法案だったとき反対署名にも協力した)。

改正薬事法(マーケティング用語集:JMR)

新しい薬事法のもとでは、予想される副作用の程度に応じて、
売薬を3段階に分けており、販売店での、それぞれの扱いを規定している。
一般薬のうち、特に慎重に服用する必要のあるものは『第1類』で、
これに属する薬は、薬剤師の説明を受けた上でないと購入できない。
ここだけ見ると、安全性をより重視して、薬の販売を厳しく制限するのか、
と思ってしまうのだが、その次の段階からは方向性が全く違う。
『第1類』よりは副作用の程度が軽いと見なされる『第2類』『第3類』は、
今度からは、スーパーやコンビニでも自由に買えるようになった。
『第2類』になると突然、スナック菓子にケの生えた程度の扱いになったのだ。

更に、電話やネットによる薬の通販に関しては、
対面販売とは全く別基準の規制がかけられ、
今後は、なんと薬剤師本人であっても、
通販で扱えるのは『第3類』のみ、ということになった。
「対面」の有無だけが、ほかのすべての諸条件より優先されるので、
コンビニのアルバイト店員のほうが、ネットの薬剤師より権限がある。

これから2年ほどの、制限付き暫定措置はあるが、最終的に、
「対面」が不可能あるいは困難な、体の不自由な人や離島の住人、
仕事が多忙で医療機関になかなかかかれない人、等々は、
『第2類』医薬品を買う手段がなくなる。
誰も彼もが、24時間営業の店の近所に住んでいると思って貰っては困る。
これでは安全性も利便性も著しく低下しただけ、としか思えず、
どうしてこんなものが承認されたのか、私の頭では理解できない。

『第1類』の取り扱いに特に厳重な注意が必要、というのはわかる。
私は個人的には(医療ヲタのコダワリから)ガスターやザジテンを、
一般薬として販売許可したのは大胆だなと、以前から驚いていたので、
これらを素人が勝手に飲んではいけない、というのには完全に同意する。
今はあるかどうか知らないが、以前あったアタラックスPなども
かなり危険な薬だと思うし、
アネトン咳止めだって、飲み方次第では凄いことになる。
こういうものを、勝手な思いつきで服用できる仕組みはいけない、
というのは、素人の私でも感じていたことだ。

が、『第2類』の薬品が、その安全性ゆえに
薬局でなくとも自由に買えるよう規制が緩和された、というのなら、
通販にどのような問題があるのか、さっぱりわからない。
『第2類』服用によって予想される副作用について、
どの程度が許容範囲と考えるかどうかは判断が分かれて当然だが、
コンビニで買うだけで安心で、ネットだったら全部危険、
という基準は、あまりにも表面的で、むしろ実害のほうが大きい。

ちょっと検索したら簡単にわかることだが、
インターネット上には、氏名や薬局所在地を明記した薬剤師本人が、
メールを通じた問診の上で、一般薬や漢方薬を販売しているサイトが
普通にいくらでもある。
これらの多くは、メールや電話を通じての、購入後のフォローもあるし、
副作用相談の投稿にも応じてくれている。
直接診ていない以上、薬剤師の取れる責任にも限界があるというのなら、
コンビニやスーパーの「登録販売者」なる一般人の販売員に、
一体、なにほどのことが出来るというのだろうか。

国民生活の利便性を重視するなら、『第2類』もネットや電話での通販を
可能にするという方向性で改善すべきだし、
利便性が制限されようとも、安全性の確保がすべてに優先する、
という主旨の法改正であるならば、
『第2類』を一般のコンビニやスーパーなどで販売させることなど、
あってはならないと思う。

今回の改正薬事法は、個別のケースに対応することが困難であるために、
「対面」の一語で割り切ろうとして、重大な部分を台無しにしている。
改正薬事法が今回の改正にとどまることなく、
今後、もっと筋の通ったものへと改善されることを私は望んでいる。
個人的には、やはり通販関連の規制緩和のほうを私は希望する。
売薬は、まず、医療機関にかかる時間や自由がないという、
思うに任せない生活を送っている人をこそ、救うものなのだから。