特養T園に行った。
姑は、きょうはさっぱりした顔つきで、
私を見ると例によってニコニコと笑ってくれて、
ベッドに寝たままではあったが、体調は良さそうだった。
血圧、体温ともに問題ないと職員さんも仰った。
園の内科の先生がいらっしゃる日だったので
検査結果をもとにお話をして下さったのだが、
今の姑の状態は、良いとは言えないが、
慌てて入院せねばならないような、気管支炎や肺炎などではない、
とのことだった。
炎症反応はじめ、血液検査には基準値から多少外れる項目があり、
基礎疾患があることを考えると、今後、「急変」に類する事態は
可能性としてはいつでも有り得るから、覚悟はして欲しいと言われた。
浮腫や呼吸困難、脳梗塞発作等、いろいろ考えられるそうだ。
しかしそれは、今から入院して徹底的に治療すれば完治するとか、
たくさん手を打っておけば将来の悪化が防げる、というものではなく、
逆に、入院治療の苦痛が本人の心身の負担になる可能性もあるので、
できるところまで、このまま、慣れた生活環境の中で見守っていく、
という方針でどうだろうか、とのことだった。
それについては、特養は病院とは違うので、設備もないし、
法的な制約のため、注射や点滴が即座に出来ないこともあるし、
緊急時の対応は、病院には明らかに劣るということを理解して欲しい、
とも言われたので、勿論、承諾した。
そうした事情は、仮に家族が自宅で看取るとしても同じことだし、
それどころかT園ならば、家で我々だけで右往左往するより
遙かに的確な対応をして下さることは確実だった。
家族として、T園の先生のお話に全く異存は無かった。
もとより、昔のおばーちゃんのように元気になれることなど
単純に期待していたわけではなかったし、
どんな手段を使っても一日でも長く、とだけ望んでいたのでもなかった。
我々が願っているのは、積極的で厳密な治療ではなく、
姑の生活が穏やかに、快適なものになれば、ということのほうだった。
今の私の希望は(多分、主人も同じだと思うが)、
できるだけ苦痛のないように、そして、その上でならできるだけ長く、
おばーちゃんの「ニコニコ」が、ずっと続くように、ということだ。