カープが勝つとき | 転妻よしこの道楽日記

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広島市街地は、今、ちょっとばかり、えらいことになっている。
広島市民球場界隈の人混みと熱狂が、ただごとでない。
球場ゲートから延々と、長い長いとぐろを巻く人々の列、
球場座席券はとっくに完売状態だが、
それでも一縷の望みをかけて当日券を求める人たちと、
既に自由席券を持っていて場所取りのために並んでいる観客だ。
市民球場の入場者数は、まさに歴史を塗り替える勢いで伸びており、
市内の主立ったホテルは、この週末、軒並み満室だそうだ
(宿泊状況はタクシーの運転手さん情報)。

市民球場がついに長い歴史の幕を閉じようとしている今、
カープの単独3位浮上という、昨今にない目覚ましい展開になり、
地元ファンは勿論、県外在住の広島出身者・カープファンも皆、
この瞬間を見逃してなるものか!という思いにかられて集結したのだ。

私は、もともとスポーツに理解のない人間で、
純粋な意味での野球ファンだったことはない。
しかし、小学生時代から広島で暮らし、
広島カープを愛する広島市民の熱意には、我知らず強い影響を受け、
カープが広島にとってどれだけ意味のある存在であるかが、
よくよくわかるようになった。

勝てる球団や華やかなチームには、全国どこでもファンがいるし、
若い選手たちも望んで入団してくれる。
しかし広島カープを愛する人たちの気持ちは、そのようなものとは違う。
「逆指名やFA制じゃあ、カープに入りたがる選手はおらんわいや」
とファンである市民でさえ言っている。

一向に勝てなくても、古びた狭い球場で雨に打たれても、
市民がひたすらカープを、ホームである市民球場を愛して来たのは、
ただただ、「広島だから」だ。
親会社もなく、メディアからも決して優遇されない市民球団を、
広島市民だからこそ支援し、熱く見守って来たのだ。
広島市長や地元財界は、このことをもっと重大に考えるべきだ、
と私は常々思っている。
ほかの何が、ほかの誰が、広島市民の気分をこれだけ高揚させ、
街の空気を変えることができるだろうか。

前にも書いたが、既に市内から広島大学と広島空港を失い、
都市計画としては「失敗」の方向に向かいつつある広島市にとって、
最後の拠り所は広島カープだと、冗談でなく私は思っている。