魚住りえ&恵『朗読ピアノコンサート』 | 転妻よしこの道楽日記

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アナウンサー魚住りえさんの朗読に、
実姉でピアニスト魚住恵さんのピアノ演奏、
という、ちょっと珍しい趣向のコンサートに行った
(@兵庫県立芸術文化センター 小ホール)。
ここで取り上げられたのは、例えば『ピーターと狼』のように
音楽と朗読の融合作品として既に出来上がっているものではなく、
姉妹で一から選んだ文学と音楽とを、ふたりで構成したものだった。

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<第一部>
朗読:宮沢賢治『雨ニモマケズ』
ピアノ:ベートーヴェン『悲愴』ソナタ第二楽章
朗読:金子みすゞ『私と小鳥と鈴と』『月のひかり』
ピアノ:グリーグ『叙情小曲集』より「春に寄す」

朗読:川上弘美の小説『センセイの鞄』
ピアノ:シューベルト『楽興の時』第3番
 シューマン『トロイメライ』
 ショパン『ノクターン』変ホ長調
 ドビュッシー『月の光』
 ラヴェル『ハイドンの名によるメヌエット』

<第二部>
「パリで花開いた二人の天才」
~ショパン&リスト ちょっとこぼれ話~
ピアノ:ショパン『幻想即興曲』
 リスト『愛の夢』第三番

朗読:芥川龍之介『蜘蛛の糸』
ピアノ:ドビュッシー<<前奏曲集 第一集>>より
 『亜麻色の髪の乙女』『西風のみたもの』『沈める寺』

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大変興味深いコンサートだった。
朗読とピアノの組み合わせで、何が表現できるか、
いろいろとその可能性についても考えさせられた。
りえさんの硬軟自在のしなやかな声は素晴らしく、
恵さんのきめ細やかなピアノがそれにピタリと寄り添い、
姉妹ならではの呼吸も感じた。

今回、最も面白かったのは、最後の『蜘蛛の糸』で、
芥川にドビュッシーが合う、というのが最大の発見だったが、
同時に、この作品に関しては、今後まだどのようにでも、
構成や雰囲気を変えて再生させることが可能という気がした。
今回のが、これでひとつの完成版であることには全く異論はないが、
例えばもっと、おどろおどろしい雰囲気に仕上げることも出来そうだし、
酷薄な感じに突き放したムードを出してもやれそうだった。
芥川作品の奥の深さを改めて知った思いだった。

おふたりはこの公演のために二年間、構想を温められたそうで、
姉妹共演という機会はなかなか得にくいかもしれないが、
可能であれば是非、第二弾を、と思った。