累ヶ淵(かさねがふち) | 転妻よしこの道楽日記

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菊之助が出ているので、この夏は『怪談』を観る予定だ。
私は菊五郎のファンであるがゆえに、
菊之助は前名の丑之助時代からかなり観ているのだが、
昨今、本当にイイ男になったなあと感慨深い。

当たり前だが、カズくんが昔からイイ男だったわけではなかった。
最初はむしろ、あまりにも頼りなくて、心配だったくらいだ。
丑ちゃんだった頃、平成元年か二年だったと思うが、
紅白歌合戦のゲストで、梅幸・菊五郎・丑之助が、
三代ならんで紋付き姿で口上を述べるという趣向があった。
梅幸は既に高齢だったが、さすがの貫禄で聞かせたし、
菊五郎は冴え渡る口跡で、今が盛りの舞台姿だった。
ところが、しんがりの丑之助が、イケなかったのだ(T.T)。
多分、まだ小学生だったのではと思うのだが、
途中で台詞を忘れ、詰まって、場内に静寂が訪れてしまい、
最後はなんとかまとめたけれど、支離滅裂な口上だった。
丑ちゃんっっ、しっかりっっっ、と私は泣きそーだったものだ。

それが、今では、どうだ。
匂い立つようなイイ役者に成長したではないか。
菊五郎と並んだ姿なんて、もう、溜息ものの美しさ。
おばちゃんは勝手に保護者の心境です。よよよ。

そういえば、昔、旧三之助の頃の、三人の関係というのは、
「菊之助(菊五郎)がからかって、辰之助が殴って、
新之助(団十郎)が殴られる」
という図式だったと、前にどこかで読んで、
なるほど、「フザケた菊五郎に、熱い辰之助に、
おおらかな団十郎」という三人のキャラを
よく表した面白い言い方だなと思ったことがあるのだが、
今の三之助だとこれが、
「辰之助がからかって、新之助(海老蔵)が殴って、
菊之助が殴られる」みたいなイメージらしい。
当代の菊之助というのは、大人になった今でも、やはり、
オンボリと育ったボクちゃん、のままのようで、
それもまた、この人の余裕や品格につながるところかもしれない、
と思ったりした。

ということで、映画『怪談』を観るぞ~!と私が言ったら、
怖い話の好きな娘も、「観る観る!」と便乗して来た。
すると、主人が横合いから、言った。
「その映画、結構、エッチみたいよ?」
えっ、これってもしかして、R-15な累ヶ淵なの!?