25日の夜、舅は、ひとり息子の主人に看取られて、逝った。
午前中は呼吸が苦しく、じっとしていられないほどだったが、
急に、昼過ぎから、ゆっくりと静かな呼吸を繰り返すだけになって、
『徐々に意識レベルが下がっている』
と看護師さんから告げられた。
それで我々は覚悟はしたが、それにしても、
その晩のうちに逝ってしまうとは、ほとんど思っていなかった。
舅の意識が完全になくなる前に、娘を病室に連れて来たのだが、
『おじーちゃん!!』
という娘の声に、舅はゆっくりと目を開け、
孫娘の顔を認めて、にっこりと笑った。
そして、そのまままた目を閉じて、
もう、そのあとは、意識が戻ることは、なかった。
舅が最後に見たものは、多分、この孫娘の姿で、
『よしよし』と言うかのように笑いかけたのが、
彼の、最後の意思表示だった。
28日に通夜をし、29日に葬儀を行ったのだが、
全部済んでしまった今になっても、私はまだ、
舅がどこにも居ないということが、信じられない。
舅はまだ、きょうも、病院にいるような気がしてならない。
なおらないことはわかっていたけれど、
それでも、少しでも元気になって、家に帰るつもりだったのに、
それが果たせなかったなんて、全く、実感がない。
などと思いながら、さきほど私が、
「あぁあ。もうあの病院に行くこともないんだね・・・」
と溜息をついたら、主人が言った。
「いや、まだ支払いが済んどらん(^_^;)」