主人が、なぜか『暴れん坊将軍』の録画を観ていた。
火サスのストックは尽きたのだろうか。
物語は、髪結いの亭主そのものの、飲んだくれの男がいて、
酒が過ぎて肝臓を壊したと言うので、幼い息子が心配している。
お城のお堀の(高級な)鯉を捕ってきて、その生き血を飲ませれば、
父ちゃんの病気が良くなるかもしれない、
と考えて、この子は江戸城に忍び込もうとする。
この子の、悪戯などでない、真剣で健気な気持ちに打たれる吉宗。
そして、子供は言う。
「母ちゃんの稼ぎがいいから、父ちゃんは働く気にならないんだ」
「羨まし~な~~」
と画面を見ながら合いの手を入れたのがうちの主人だった(--#)。
さて、前々からツッコまれていることだが、
水戸黄門などと違って、この主人公は、八代将軍本人だから、
ただちに江戸城に戻れる場所に常にいなくてはならず、
したがって、江戸から外に出ることは無い。
私「ほんっっとに、限られた範囲をうろうろしとった訳やね」
夫「ま、この人は、江戸城界隈より外には出れんわな。
スペシャルでもないことには。日光に参るとか言えば出れるかね。
だけど将軍様がお留守をなさると言ったら、そりゃもう大ごとよ。
夜とぎの順番だってあろうしさ。急に取りやめられたりなんかしたら、
『あらっ、お気に召さなかったのかしら』、なんて大騒動だろ」
私「(どーして話がそっちに行くかね……(--#))」
夫「にしても、もう江戸じゅうの人間と知り合いなんじゃないんか。
ときどきは正体バラしとるみたいだし。毎回じゃないにしても」
私「八百いくつも街、ないもんね」
夫「常識的に言って、せめて名前は変えんといかんやろ。
毎度毎度、旗本三男坊の徳田新之助じゃね。
『新さんいうのは、アヤシイよ』て、評判になっとるだろ」
そのとき、娘が会話に参入してきた。
娘「あのー……」
私「うん?」
娘「この人、どうも、マツケンサンバの人に見えるんですけど」
夫「本人、本人!」
娘「着物は光ってないけど……」
私「将軍様はスパンの着物は着ない(^_^;)」
娘「やっぱ、マツケンサンバ・つー、の人なんだね!」
私「名前はわかる?」
娘「マツヒラ・ケン、でないことは知っている」
まつひら・けん……。
一文字読み替えるだけで、随分、カルい名前になる人だったのねん。
テレビでは、お約束通りの一件落着、
最後に先般の聡明な少年が、物陰に吉宗を呼んで小さな声で言う。
「僕、本当は知っているんだ。あなたが将軍様でしょう?」
夫「ふぉっふぉっふぉ…『雉も鳴かずば撃たれまい』……」