我々夫婦は、どちらも肥満していて、痩せねばならないので、
休日には買い物がてら、遠くのスーパーまで歩くことが結構ある。
昨日も、大雨の中、やっぱり日に一度は外を歩かねばと、
ふたりで傘をさして、出かけた。
さて、目的地までの距離の半分ほど歩いたところで、主人が、
「俺、ちょっと、用足し」
と近くにあったホテルを指して、言った。
彼は市内のホテルをよくチェックしていて、
ロビーから行けるトイレがシャワートイレになっているかどうかの
詳しい情報を集めているのだが(集めるか、普通!?)、
そのホテルは、彼の目的に叶ったものだったらしかった。
と、我々が中に入ろうとしたら、ちょうど、
ウェディングドレス姿の花嫁さんが出て来るところだった。
どうやら、ホテル脇のガーデン・ウェディング会場に向かうため、
花婿とともに正面玄関から出るところだったようだ。
ノースリーブの、とても綺麗なドレスで、
花嫁さんも大変可愛らしくて、私はもっと見ていたかったが、
立ち止まるのは迷惑になるので、道を空けて、見送った。
私「生憎の雨で、ご本人さんも招待客も、大変だね~」
夫「ふっふっふ、あの二人、俺が今なにをしに来たか知ったら・・・」
・・・・・・・・(--#)。
もしそんなこと知ろうものなら、そりゃ、もう、
花婿の、さぞかし見事なドロップキックが決まるだろうよ。
ったく、よりによって一世一代のハレの日に、
こんな男と鉢合わせ寸前になるなんて、お気の毒過ぎる。
んなこと知ったら、あのご夫婦は、一生思い出すじゃないか。
まさに、世の中には知らなくて良いことが、たくさんあるのだ。
私は、かの新婚さんのために祈った。
今のナシよ、この男は居なかったことにして、どうかお幸せに、と。
そういえば仙台の某ホテルは、フロントの前に紙が貼ってあって、
『通り抜けと、トイレだけのお客様は、ご遠慮願います』
とはっきり書いてあったものだが、
ここのホテルには、幸いに、そういうものは、なかった。
それでも主人は、用足しのあと化粧室からまっすぐ帰ることはせず、
ちょっとレストランのメニューや宴会の掲示など覗いたりして、
さも用があるフリをし、姑息なカムフラージュを試みたあと、
「お待たせっ♪」
と言って、出てきた。
それから目指すスーパーに行き、買い物を済ませ、
帰り道、さきほどのホテルを通りかかると、主人はご丁寧に、
「ディス・イズ・マイ・レストルーム!」
と指さして、言った(爆)。
註:restroom(名)[遠回しに](劇場・ホテルなどの)トイレ
bathroom(名)[遠回しに](個人住宅の)トイレ