四月の終わりに買い換えた、新パソ子なのだが、
相変わらず、作業中に熱い吐息を漏らし続けて、
ふぉ~お~お~ん、と際限もなく悩ましい。
お陰で、CDもDVDも、このパソコンで再生するとよく聞こえない。
という苦情を、主人の部屋に行って、言ってみた。
夫「なら、俺のと変えてやろうか」
私「そっちのパソ夫は、おとなしいのかね」
夫「だと思うよ。俺、こいつの音を気にしたことないもん」
主人はパソ夫の電源を入れた。
私「だけど中身をそっくり入れ替えるのって、面倒じゃない?」
夫「んなこたないよ。データ写し取って、送るだけだよ」
と、パソ夫は、静かに沈黙していて、なかなか立ち上がって来ない。
私「動作、遅いの?」
夫「いや?」
しばらく待って、ようやく明るくなったパソ夫の画面には、
デスクトップアイコンが、なぜかまばらに散っていた。
私「こういう並べ方してたっけ?」
夫「いいや、……ときどき、変になるんだよね」
ややあって、画面は『アクティブ・デスクトップの修復』になった。
おいおい、窓Meならいざ知らず、窓XPで、これは滅多に出ない、
って私は聞いていたんだけど、こいつは一体?
夫「大丈夫、たいしたトラブルじゃないから」
私「それはわかるけども」
主人はデスクトップを復元してから、ネットに接続し、
プロバイダのトップページを開いた。
確かに、パソ夫は無口だ。
ここまでの作業で、彼のたてた音は、
かすかな、きゅーー……、というささやき声だけだ。
夫「どう?こっちのが静か?」
私「そりゃ、断然、静かだね」
夫「じゃ、取り替えようか」
私「そだな~・・・」
夫「……あ!ちっ、またかよ~」
見たら、マウスが効かなくなり、完全にフリーズの状態になっていた。
主人が強制終了をしようとするが、キーボードからでは出来ない。
夫「仕方ねえなあ」
彼は慣れた手つきで、右サイドについている小さなフタをあけ、
中からバッテリーを取りだした。画面は、黒くなった。
夫「これさ、電源オフってのが、出来ないのよ。いちいちバッテリー外さないと駄目でさ」
おい。
そりゃ、パソ夫の音を気にしたことはない、というのは事実だとは思うが。
久しぶりに会ってみたら、よその息子がひどくグレていたので
おばちゃんビックリしました。
考え直して、うちの娘をもう少し褒めてやることにしました。