人生で始めての海外。
オーストラリアでの15日間は、毎日が本当に刺激的で、学生最後で最高の思い出になった。
東海岸の北側から、ケアンズ、ゴールドコースト、シドニーと3都市を渡り歩いたこの旅では、
すべての日が予定で盛りだくさん。ひとつひとつを思い出すのにも一苦労なほどだ。
真夏のビーチや砂浜、川くだりや世界遺産の山々、
芸術や歴史と共存する街、気さくで陽気な人々。
すべてが新鮮で、平和で、行く先々にはいつも笑顔が満ち溢れているように感じた。
オペラハウス:シドニー
以外にもオーストラリアでは、どこにいても日本を感じることが出来た。
町並みでところどころに並ぶ漢字やカタカナ表記の看板。
日本人観光客やそこで生活する日本人たち。
それらを暖かく迎え入れ、共存し、互いのことを尊重しあう、そんなあたたかさを感じた。
旅先で手に入れたディジュリデゥ(アボリジニの民族楽器)を持ち歩くと、
次から次へと声をかけられ、是非、吹かせてくれないかと言う。
カタコトの英語でも、大好きな音楽で旅先の国の人たちと交流ができることは
ものすごい喜びだと感じた。それは決してアボリジニ達だけでなく、まさに現代の
社会で生活する人々。あるときは川くだりで、あるときはホテルの廊下で。
場所や時間、国籍や性別、年齢や宗教、すべてのことに関係なく、彼らと僕達は
確かに「音楽でつながる」ことが出来た。
朝日と海:ゴールドコースト
彼らは自然と、歴史と、芸術をこよなく愛し、
お酒と、おいしい料理と、音楽とで生きている。
最高の海と、たくさんの木々と、あらゆる動物たちを守り、
そして自分たち人間を大切にし、尊重しあっている。
この15日間の旅は、そんなたくさんの経験と出会いをぎゅっと絞り込んだ、
とても贅沢でエキサイティングなものであった。
この旅で撮影した写真は約1400枚。
動画も含めると相当な量だ。
この旅を通して僕が撮りたかったのは、美しい景色はもちろんだけど、
何よりもそこで生活する人々や、自然のイキイキとした姿だ。
4年間を共に過ごした仲間達の表情と、オーストラリアという別世界がどんなふうに調和するのか。
それは謂わば、僕のこれまでの現実と、目の前に広がる夢との共演という風景。
それは世界中で僕にしか撮影することの出来ない、ただ一つの真実であるからだ。
オペラハウスや大聖堂を始めとした建造物や、無限に広がる青空と海、森林や動物ならば、
自分以外のたくさんのカメラマンや写真家、それだけでなく、一般の旅行者や観光客でも撮影できる。
けれども、大学で僕が出会い、4年間を共に過ごした仲間達とそれらの風景との共演、そして彼らの表情を切り取ることが出来るのは世界中で僕だけだろうと思える。
世界中で自分にしかつくれないモノ、自分でしか切り取れない風景を、できるだけたくさんの人に観てもらう。そんな仕事をしていきたいと思う。

