楽器、もっともっとうまくなりたい。

音楽のセンスがほしい。


これまで楽器を練習する時間は山ほどあったのに。

今の自分の演奏レベルじゃ、やりたいことも出来やしない。


もっともっとうまくなりたい。

高校からはじめたクラリネットも、必死に練習し続けてきたはずなのに。


よく、一線を超えるとか、壁を越えるという話を耳にするけど

これまでに何度も感じてきた、そういった感覚は、気がついたら

それぞれがとても小さな壁で。


乗り越えてきたように感じてきたこれまでの道に、自分自身がイメージ

するような大きな壁や、「一線」を超えるというものはなかったのかもしれない。


ずっとやりたくて、ようやくはじめたサックスも、思うように上達できていない。


こんな現状を前にして、もうすぐ学生生活も終わりに近い。

春以降はもうほとんど楽器に触る機会がないかもしれない。


そう思うと胸が痛む。


世の中で言う、一般的レベルにも、到達できていないのではないか。

そんな気がしてならない。


一歩進むたびに、周りにはもっとたくさんのプレイヤーたちがいる。

みんな、それぞれの道を歩んできていて、自分のレベルくらい軽く

超越している人ばかりだ。


もちろん、そういったプレイヤーたちに出会えただけでもわくわくしてくる。


ひとつ、幸運だと思うのは、

そういった自分と周囲のレベルの違いの大きさを実感しても、気づいても、

ただ落ち込んだり落胆するのではなく、さらに一歩上を目指そうとする

前向きな姿勢をとることができることだ。


この性質だけは持っていてよかったと思っている。


誰よりも負けず嫌い。

でもやっぱり、そういう自分にとっては、つねに「自分よりも上の存在」を

が認識していることが絶対に必要なのだと思う。


おれはまだまだうまくない。


だけど、まだまだ、うまくなれる。


そう信じていたい。