人は、届かないものほど静かに生活へ入り込む。


気がつけば、鏡の前にもいた。

化粧品の色を選ぶ指先にも、美容室で頷く首にも


私はいつから、私の人生ではなく、

彼が生きやすそうな人生を選び始めたのだろう。



恋は、人格を奪わない。

もっと器用。

選択だけを書き換えていく。

暗い髪。

控えめな睫毛。

少しだけ薄くなった煙。

傷の残し方まで。

誰にも命令されていない。

だからこそ、抗えない(・ω・)φカキカキ




届かないから、勝手に意味を与えられる。

「きっと彼は。」

その一文だけで、人は簡単に別人になれるし



彼は何も知らないし、

私が少しずつ私ではなくなっていったことも、

その理由が全部ひとりの人間だったことも。

愛とは案外花束なんかじゃない。

毎朝、無意識に選び続けてしまう小さな癖だしそれも辛い( ; .̫ ; )



なんだかんだ彼という重力圏で生活している。

どれだけ離れたつもりでも、

買う服の色も、髪の明るさも、指先の癖も

いつの間にか軌道修正されている。

本人は一度もこちらを見ていないのわかってるのに( ᵒ̴̶̷᷄ _ ᵒ̴̶̷᷅ )



本人に届くことはないけど

私が今日も彼を愛したという事実だけが、

明日も彼を生かす、新しい物語になる。


私の愛は届かない。お金だけが届く。

恋とは、ときどき延命装置によく似ているとおもったり