
もし南京やシンガポールの日本軍が、沖縄のアメリカ軍が、バクダッドを攻略していたらどうなっていただろうか?あるマスコミが伝えたように、米兵が補給が足りずに一日一食しか食べられないような状態で、本当に苛立っていたならどうなっていただろう?
ジャーナリズムとは、本当に怖いものである。軍人とジャーナリストとどちらが怖いか?
ベトナム戦争の時の現地軍最高司令官ウエストモーランド将軍に対する「敗戦」戦犯容疑。あの時はマスコミが怖かったのである。アメリカ人の大半は今でも彼を戦犯と考えている。大統領、国防長官、国務長官などより、スケープゴートとして、一現地司令官に罪を被せているのである。確かに彼がスーパーマン的な軍人であったなら戦争に勝てたかもしれないが、ベツナム戦争は政治的に過ぎた。結果的にはキッシンジャー国務長官がパリでの政治的合意を得たが、何のことはない、結局敗戦である。ウエストモーランド氏はその生涯を通じて名誉回復を図ろうと努力されたが、一武人の空しい努力であった。
今度のイラクの戦争では、責任ある司令官が(十分に戦って)整然と降伏するというケースがまれだった。バース党即イラク軍ではないが、この擬似ナチス党は戦争の作法さえ知らない。
何故アラブは弱い、と断言するか?
遠い昔(アラブの雄)エジプトとイスラエルが数次に亘り戦争ばかりしていた。今は(暗黙の内に)両国はもう戦争しないことにしているらしい。奇襲に成功していいところまで行ったりしたこともあったが、毎回エジプトの負け。第二次世界大戦を見てきた当時のジャーナリスト達の目は肥えていた。エジプト側の敗因として、アラブの兵士は、隣の兵士が、友軍が、逃げようと考えているのではないかと、本人自身も逃げようと考えながら戦っている。負傷した戦友の側にいてあげようとせず逃げる。軍規、戦友愛の希薄さ。この戦争では「六日間戦争」というのもあったが、それくらいイスラエルは強かった。アラブは弱かった。
今回の三週間戦争でイラク国軍、共和国防衛隊、フセインの息子達(二重の意味)、さらにサダム・フセイン自身が「敵前逃亡罪」である(死傷したり、捕虜になった一部の兵士を除いて)。フセインはブッシュの勧告通り四十八時間内に亡命すべきであったろう(勝てないと分かっていたから)。しかし戦って敗れたなら、降伏すべきである。だがしかし、戦いもせず逃げたのだから降伏を求めるのも無理か?第二次世界大戦では、ヒットラーが自殺、代わって、海軍提督デーニッツが降伏した。その三ヵ月後日本国天皇が降伏した。
最後にバクダッドの盗賊達。凄まじいばかりである。こんな大規模な略奪が自国の財産に対して、学校に対して、まして病院に対してまで行われるのか?博物館の人類最古のシュメール文明の展示物までも略奪された。果たして、ラムズフェルドの見積もりに欠けた地上兵力はMP(憲兵)部隊だったのだろうか?!
又々、アラブは、と言いたくなるが、もう止そう。卑怯者で、泥棒で、なんて直接相手には言えまい。こんな人々に限って表面的な自尊心だけは強いのだから。
(May 3,2003)