『ソナチネ』は興行成績が振るわず,producerが会社を追われる遠因になったとも云われる.
 確かにbusinessとしては失敗だったのだろう. 
 だが,映画に限らず,businessという軸はproducerやpublisherにのみ重要というだけだ.
 売上と成果物の善し悪しは関係がない.

 近頃,FUJI ROCKに政治色を持ち込まないでくれとの声がfeatureされた.かつてrecord会社にいた人物がそれを嘆いているのを聴いて,おもわず,声を荒らげそうになった.
  お前らがそういうlistenerを育てあげたんだろうが
 音楽の商業化を推し進めていった帰結だ.音楽のpublic imageが変質してしまったのだ.
 日本映画にもそのうち「マンガ原作じゃないなんて映画じゃない!」なんてトンデモaudienceが出現するのではないか.

 いい加減,DVDを買おうとおもいながら,繰り返し借りて観てしまう.
 『ソナチネ』より興行成績が上回った作品は枚挙に暇がない.だが,おれが一〇〇回以上観た作品は数えられる.『ソナチネ』はその一つだ.
 当事者の多くにとって分水嶺となってしまったprojectだが,失敗ではない.
 色褪せないspectacleを惹き起こしたのだ.