成人になると,受容体からの情報を取捨選択するので時間が短くなる,みたいな説を聴いたことがある.

 

 昨夜,遊びにいった店で,ある女性/* 仁とする */に出会した.従業員ではなく客とおもっていた.逢うのは3回目.「え,働いてたの?」と訊く.「何云ってんの?」と訝しまれる.

 仁は,あんりと逢う前に見掛けたことがある.その後,あんりを識った.さらにその後,仁を見掛けた.昨夜出会したのは仁と判断した.

 果たして,あんりと仁は同一人物だった.仁は架空の人物だったことになる.たぶん子供だったら初めて仁を見掛けた後にあんりと逢えば同一人物と認識できただろう.たった一ヶ月くらいの間の出来事.ちょっと面白かったので書き留めておく.

 marketにとって都合のいい余暇についてのmatrixは以下.

 

 

 市井の人々からできるだけ可処分所得や可処分時間を分捕りたいsubjectsは,前掲したmatrixをしれっと標準化しようとしている.このmatrixには恣意が潜んでいる.[デフォルト予定の有無, リスケの可否, デフォルト予定有無とリスケ可否]に暗黙裡に重みづけを既遂している.

 順位をつけられてない自由 vs. 自らにとっての第一位に耽る自由という構図は,rhetoricalだ.それは「Tomorrow never knowsである.故にEd Woodが傑作を撮れないとは断定できない」という論法だ.そもそも成り立たない.

 じぶんがスキナコトを識っている個体群はminorityだ.広告代理店や政治家はmajorityに媚びなければならない.だからこそ,冒頭に掲げたmatrixを前提にしたがる.だが,それは誤前提暗示.

 { デフォルト予定: 無, リスケ: 不可能 }は,「テレビで取りあげられていたから」と行列を成すような層.

 { デフォルト予定: 有, リスケ: 不可能 }は,推し活.

 { デフォルト予定: 無: リスケ: 可能 }は,浮動票 for 広告代理店.

 { デフォルト予定: 有, リスケ: 可能 }は,釣りキチ.

 priorityを決められない個体群こそカモだ.カモを担いで囃したてる風潮に足許を掬われちゃ馬鹿馬鹿しい.

 

 以下が正しいmarixのはず.

 

 

 折角の休日なのにcatalogから退屈凌ぎを選ばなければならない連中が持て囃されるのはカモだからだ.

 

 

 つい先日,11年3ヶ月の結婚生活が終わった.つくづくおれは他人と暮らす適性を欠いていると痛感した.

 最初に結婚しかけた女に別れ際に云われた.「あなたは私のことをほったらかしにしている」と.今回の結婚生活もそこがbottle neckとなった.

 個人として,やりたいことだらけ,なのだ.女といちゃつくのも愉しいけれど,それは憩い.憩いが時間割りを塗り潰せばそれは憩いではなくなる.

 半年くらい前だったか,某所で立ち読みした龍さんのessayをAmazonで取り寄せた.『星に願いを、いつでも夢を』という書籍.龍さんのessayを購うのは二〇年振りくらいだった.その書籍に,龍さんが精神科医に「あなたはworkaholicだよ」と宣告されるepisodeが載っていた.その精神科医に拠れば,workaholicのfeature(s)は,生業漬けということではなく,[退屈と待つことを厭う,時間を惜しむ]らしい.当て嵌まる,おれ.

 [村上 龍, 小林 よしのり, ビートたけし]は,数十年の間観察してきた.推し量るに,彼らはworkaholicだろう.

 [babel, Wells, Eureka, Prometheus]で空っぽになっていたとき,ありふれた暮らしに救われた.

 でも,おれはありふれた暮らしに向いていない.ex-wifeに対して負の評価感情は懐いていない.soul mateであることには変わりがないのだ.

 おれは燃え尽きたいだけだ.