長年,シュミが[パチンコ]くらいだった.しかし,博奕は個体によっては身を滅ぼす.

 近頃,30年振りくらいにシュミができた.絵を描くことだ.

 思春期のはじまり辺りから経済論理に毒されていた.[ジグソーパズル組み立て, 登山]といったActivitiesに取り組む人々のことを理解できずにいた.成果が明白なActivityのどこが面白いのだろう,と.

 マンガのためでもなくヒトに見せるためでもなく絵を描くことは,手放しで愉しい.

 ジグソーパズルは組み立てるのを愉しめばいいのであって,完成図がどんなものであるかはどうでもいいことだった.

 ハイデガーが云わんとしたことの一つがこういうことだったのではないだろうか.

 巧くなろうとしなくてもいい,純粋に遊びとしてのおえかき.社会的価値を志すとしんどくなることは痛感している.社会的価値を帯びることがないと折ってしまった筆を再び持った.これで破滅の可能性が僅かながら減少した.

 そういえば,たけしも絵を描きはじめたのは四十代後半になってからだった.

 

 『ドライブ・マイ・カー』を観た.『ワーニャ伯父さん』未読だと十全に読み解けなかったので,読んだ.

 『バカヤロー! 私、怒ってます』のような戯曲だった.

 おれはTennessee Williamsが嫌いだ.bluseが肩に手を回してきやがったらそれを撥ねつけるべきだと考えているからだ.

 いつか『ワーニャ伯父さん』を脚色したい.きっとChekhovのfanは怒りの余り卒倒してしまうようなarrangeとなるだろう.

 それと同時に,こんなことを考えた.

 すると,久々に海深の譚が降りてきた.

 

 海深 vol.2

 

既出分:

 

 海深 vol.1

 

 

 

 あと3ヶ月もすれば45だ.未だに今後の身の振り方について考えている.

 

 偏差値の高さを立証しておいた方が無駄が省ける

 

 Fラン大卒/* 事実上中卒 */だが,暴れ回ってきた.幸運にも,「世界を見回しても期間・予算の制約下で成し遂げられるのは一握り」というprojectを成功させたこともあった.

 偏差値が高い大学の学閥のある企業は,トンデモ人材が混じっている率が低い.海のものとも山のものともつかぬ企業よりも.説明するというのは間接費用.それはできるだけ抑えられた方が経済的.

 

 社会に出るまで劣等生だったため,自己顕示欲を充たすべく,働いた.幸運にも,それは充たされた.しかし,今後も次々と若い衆が参入してくる業界で疾走を続けるのか? それに生涯を捧げることにおれは重きを置けるか?

 

 やはり,彼のことをおもいだしてしまう.彼は高学歴で大手に勤めていたがdrop outして,what he loveに専念した.しかし,彼はwhat he loveについての適性がzeroだった.それでも彼は続け,あと1・2年もすれば同期はretireする年齢となった.

 ずっと彼のことを軽蔑していたが,彼は社会に出てから自己顕示欲を充たす必要がなかったのだろう.社会的価値を醸すことのない仕事を繰り返しているが,drop outした時点で彼は非社会空間へ移ったのだろう.

 

 近頃,おれは厳しい環境で闘わなくとも暮らしてゆける方策を識った.未だに社会的価値を醸すことのない仕事に専念できる.まだ抵抗がある.非社会空間へ移ることは<人間的>か?

 半年間,揺れている.