概要

 

ギリシャ神話のハデスの息子、ザグレウスが主人公で、冥界を抜けだすために戦う、2Dローグライク・アクションゲームです。同じジャンルにDead Cellsがありますが、あちらとゲーム性はそっくりです。Dead Cellsと異なり斜め上から見下ろすタイプの2Dですが、始めのうちは何度も途中で倒れるうちに、徐々に上達してクリアできるようになる、いわゆる死にゲーである点も共通です。リプレイ性、武器の種類などゲーム性はDead Cellsに軍配があがりますが、こちらはギリシャ神話をベースとした世界観とストーリー面が優れています。☆★★★★(星4/5)
 
(以下レーティングの目安
☆☆☆☆★:超駄作。非常につまらない。クリアまでプレイできない。
☆☆☆★★:駄作。一応クリアまではプレイできるが、二度とはプレイしない。
☆☆★★★:凡作。そこそこ楽しめるが、欠点も多い。
☆★★★★:良作。ただしそこそこ欠点もある。
★★★★★:傑作。欠点も少ない。
 

 

  作品の魅力

 

  • Dead Cellsと似たような、良質なアクションゲームです。操作は基本的には攻撃、特殊攻撃、魔弾の3種類のみとシンプルでとっつきやすく、それでいて何度もやり直すうちにステージをクリアできるようになり、「上達している」感じが得られるのが楽しいです。プレイ度にランダムで「功徳」と呼ばれるスキルが手に入り、どのようにキャラを強化していくか選ぶことができます。
 
  • またアクションゲームが得意でない人用に、ゴッドモード(いわゆるイージーモード。ただし難易度が固定ではなく、ゲームオーバーになる度に難易度が下がる)が容易されているのも良いと思います。
 
  • やりこみ要素もあり、一度クリア後は任意に難易度を上げて再挑戦することもできます。
 
  • このタイプのアクションゲームにしてはかなりストーリーが重視されています。ギリシャ神話の神々が登場し、しかもなんとフルボイスです。同じNPCと話してもランダムなセリフを話すわけではなく、進行によってセリフが変わるようで、話しかけるたびにほぼ毎回新しい会話がなされます。膨大な会話が用意されているようで、私も一部しか見られませんでした。一度ラスボスを倒した後もストーリーが徐々に進行していくので、ストーリーが見たくて何度もプレイしたくなります。
 

 

  作品の欠点

 

  • アクションゲームとしてはまずまず良くできていると思いますが、Dead Cellsと比べると見劣りしてしまう点は多々あります。まず肝心のアクション性。敵の一人一人は非常に弱いですが、数で攻めてきます。だいたい3-4体は一度に相手取ることになるのですが、ステージが狭いこともあり、敵の攻撃を躱しようがなく思えることがあります。また敵や敵の弾が画面に対して小さい上に、主人公のアクション等のエフェクトが派手なことも相まって、敵の攻撃が良く見えなくて攻撃を食らうこともあります。他には画面外の敵から高速の弾が飛んできて被弾することもありました。罠もあるのですが、背景に溶け込んでいて分かりづらくなっているため、敵に集中しているといつの間にか罠に被弾してしまうことも多いです。これらの事で攻撃を食らうと理不尽さが強く感じられ、自分のミスで被弾した、という納得感がありません。多少の被弾は前提とした作りなので、それらで被弾してもクリアできる程度の難易度ではあるのですが。
 
  • また後半のステージの敵はかなり硬くなり、しかも敵の半数近くはスーパーアーマー持ちになります(どれだけ攻撃してものけぞらない)。このため主人公が強化されても戦いに今一つ爽快感がありません。
 
  • またローグライクでありながら、実はリプレイ性が高くありません。まずステージの種類は少ないです。1本道で、4ステージ、ボスも4体しかいません。難易度をかえたところで、基本的にやることは変わりません。武器の種類も少なく、こちらも基本的に5種類しかありません。武器のオプション、スキル、アクセサリーがありますが、どれもプレイスタイルを大きく変えるようなものはありません。10回ほどクリアして一応のエンディングを見たところで、飽きてしまいました。
 

 

  総評

 

ギリシャ神話を舞台としたストーリーに力が入っており、ギリシャ神話が好きな方ならかなりお勧めできます。アクションゲームとしては及第点ではありますが、Dead Cellと比べてしまうとそこは見劣りし、リプレイ性も高くありません。良質なアクションゲームがしたければ、素直にDead Cellsをプレイした方が良さそうです。