概要

 

Subnautica未知の海洋惑星に墜落した主人公が、惑星にある資源を使ってサバイバルしながら、宇宙船墜落の謎を解き明かし、惑星脱出を目指すゲームです。手放しで褒められるほどではありませんが、それでも十分に楽しめました。☆★★★★(星4/5)

 

  作品の魅力

 

  • 一からモノ作りをしていくサバイバルゲームは数多くありますが、海を舞台にしているのはとてもユニークです。そしてその海の怖さがとても良く表現できています。実際にダイビングをしたことがある人だと分かると思うのですが、水深10mを超えるような深さを見下ろしながら泳いでいると、海の底から巨大な鮫か得体のしれない化け物でも出てきて食べられてしまうのではないか、そんな根拠もない恐怖を覚えることがあると思います。あの恐怖を味わうことができます。このゲームでは実際に肉食の巨大水棲動物にも出くわします。また、洞窟のダイビングは現実では特に危険ですが、このゲームでも常に酸欠の恐怖が付きまとう中で洞窟探索をするシーンもあり、帰り道が分からなくなって酸欠になってしまうのか、ハラハラしながらプレイすることになります。これらの恐怖感は、特に中盤まではとてもリアリティを感じました。
 
  • グラフィックも非常に良いです。水の表現が素晴らしいし、水中の世界はまさに神秘的です。いくつものバイオームがあり、それぞれ見た目が大きくことなり、楽しませてくれます。
 
  • SFとしても良くできていると思います。設計図と材料さえあれば、ほとんどのものが3Dプリンターで作成できるのが、サバイバルゲームとしてSFの世界観と良くマッチしています。それにメインのストーリーは非常にシンプルですが、アイテムの説明欄などを読むと世界観が良く作りこまれているのが分かります。
 
  • おまけ程度ですが、たまにAIが言ってくるジョークがクスリと笑えます(英語設定でプレイしたので、日本語訳だとどうかは分かりません)
 

  作品の欠点

 

  • 広大な海なのですが、実際に探索できるのは半径2kmの範囲の円の中だけのようです。乗り物を手に入れてしまうと割と簡単に端までいけるので、やや広大さに欠ける印象があります(それでも十分広くはあるのですが)。また後半は地下洞窟を探検するのですが、ここも広さ自体はあるものの、実質はほぼ一本道のような作りになっているため、あまり広さを感じません。
 
  • 前半は設計図を集めるためバイオームの中をくまなく探索する意義があるのですが、後半のバイオームは、そのバイオーム特有の資源を1、2種類集めてしまえば後は用がなく、ただの通過点となってしまう点がもったいないです。
 
  • 潜水艦を作ることができるのですが、これが遅く操作性が悪く、しかも自衛手段に乏しく頻繁に襲われるため、苦労して作っても移動が全く快適ではありません。さらにはバッテリーの持ちが悪く、使い方によっては直ぐ基地と往復しないといけません(通常航行ならかなり持つが、敵に襲われステルスモードやバリアを使用するとあっという間に充電がなくなる)。せっかく小型で操作性の良い潜水艇もあるのですが、こちらは深度限界が浅く、後半のステージには行けません。後半のステージになるとそこそこの移動距離があるのですが、基本はこの潜水艦に乗らないといけないため、後半の移動はかなりストレスフルでした。ファストトラベルのシステムはあった方が良かったと思います。せめて潜水艦にもっと強力な自衛手段があり、バッテリーが今の倍位持てば良かったかと思います。
 
  • アイテム収納が基本的に狭く、また移動も不便なため、収納、整理はストレスフルです。アイテム1種類につき1個ずつロッカーを作っていきますが、中には1つのロッカーに収まらないものもあり、20個くらいはロッカーが必要になってきます。そして探索から帰るとそれぞれのロッカーにアイテムをしまい、クラフトするときはまた一つ一つアイテムを出してくる必要があります。アイテムを1ボタンで自動収納する機能や、クラフトするときはロッカーのアイテムを自動的に使えるようにするシステムなどがあるべきでした。
 
  • いわゆるサンドボックス系のゲームではないため、後半はゲームの惑星脱出に向けて割と一直線のストーリー、ステージ展開ですし、クリア後にやることはありません。一応50-60時間はプレイしましたので十分なボリュームではありますが、いくらでもプレイできるようなゲームではありません。
  • 建築周りのチュートリアルがなく、特にエネルギー供給関係は手探りで確かめるしかなく、やや不親切に感じました。
 
  • 後半purple tabletがたくさん必要ですが、スキャンし損ねていると作ることができず、どこにあるかのヒントも全くないため、最悪相当探し回るはめになりそうです。ここはもう少しヒントが欲しかった。
 
  • これは好みの問題かもしれませんが、ストーリーは全体的に沈鬱としており、もう少し明るい要素もほしかった。
 

 

  総評 ☆★★★★(4/5)

 

未知の海の深遠さに恐怖しながら、神秘的な海に感動し、広大な海で徐々に資源を集めて基地を拡張し、少しずつ探索範囲を広げていく前半は、間違いなく最高のゲーム体験です。後半になると一本道のステージ、操作性が悪く時間がかかる移動、あふれかえる収納など欠点が目立ちますが、それでもなおオススメできるゲームです。これからプレイする人は、Seamoth(小型潜水艇)をアップグレードするMODと、収納関係をのアップグレードMODを入れると、快適にプレイを楽しめると思います。