この物語はほんとうにル・グインさんらしい物語だと思いました。
沈黙の中の言葉というのでしょうか、グインさん自身が大きな智慧を有した魔法使いであるかのように思います。
簡潔で滋味溢れる自然の描写は、ちょっと藤沢周平さんを思い出してしまいました。
話は飛びますが、「ゲド戦記」とやらが清水真佐子さんの訳で出ていますが、この訳は本当にひどいです。
グインさんの静けさの世界をものの見事にぶちこわしています。
{ゲド戦記}という言葉自体滅茶苦茶です。この物語はゲドの自分自身をみつけるための内面の戦いであって、戦記というようなものではありません。
こんな訳を読まされる子供たちが可哀そうすぎます。
いつか自分で訳そうと思っているのですが、時間がつくれない。