「マスコミの人を接待するときは

なぜかこのあたりの曲をBGMにかけると

必ずうまくいくんだよね。

好きな人が多いみたい」


と、大手自動車メーカー勤務の

私より少し年上の友人Kさんが語っていたことは

あながち間違ってはいなかったようだ。


新車試乗の記事をマスメディアの人に書いてもらうときなど

車窓からの風景の見え方や心地いい音楽は大切で

彼らの音は邪魔にならない、主張し過ぎない、

好まれる音として、よく選んでいたそう。



「大好きなミュージシャンを

一人だけ選べて言われたら

僕は『America』やね。

バンドやから一人ちゃうけど」


と、長年マスコミに勤務され

国営放送から民間まで世界を股にかけ活躍されていた

今は亡き年上の知人Mさんが笑顔で語っていたことを

このアルバムを聞くたびに思い出す。


Mさんとは共通の趣味を介して話すようになっただけで

個人的に親しかったわけではない。

顔見知りになった後、

近所の焼鳥屋のカウンターで偶然出会い、

三度隣合わせで飲む機会に恵まれ

そこでこういった他愛もない会話の中に

Americaを熱く語っておられたひとときがあっただけ。


それも私が一方的に覚えているだけ。


♪ 『America』 / America ('71)