一年は早い。
法要のあと、お寺近くのレストランへ向かい
テーブルに写真を立て3人でイタリアンを食べながら思い出を語り合う。
海と船が大好きだったエピソードから
船のオーナーだった頃に停泊させていたハーバーの話題になり
そこへ行ってみない?と、急遽、車を南へ飛ばす。
台風通過後の温帯低気圧と梅雨前線が心配された予報だったが、
みるみる晴れていく。
今日が一周忌だということを忘れるほどだが
所縁の地へ行くことは御魂のお導きだったのかも。
「待ってました!」と後部座席に一緒に座っていたかもね。
見覚えがあるという管理者の若い男性に義母が語りかける。
「あ、覚えていますよ」と彼。
息子夫婦の知らない一面。
学生時代から船一筋。
世界中の海をゆき、陸にあがり、職も変えた。
晩年、余裕ができ、もう一度・・・という思いで船を持つ。
昨今、整備も人任せにするステータスとしての成金オーナーも多い中
気持ちよいほど「心底船が好きな人」としての義父の振る舞いは
真っ直ぐ人に伝わっていたようで
オーナーになるには資金不足という海&船好きの若者に懐かれ
友達になり一緒に乗船させておなじみさんになっていたらしい。
そんな所縁の地で
私はふと書棚に積んであった『海上衝突予防法』と書かれた
セーラーズブックを手にする。先程の若い男性に
「おいくらですか」と尋ねると
「無料ですよ。どうぞ」
一冊いただいた。
