遣り方。
オラも何度かしか経験したことは無いのですが、敷地内に建物の位置を決めて、基礎を打つための糸を張る仕事です。これで何もかもが決まってしまう、一番大事な仕事。
例えば普通の長方形の一般的な住宅の話し。
敷地が真っ角なんて事はまず無い。
じゃ、何処を基準にするか?をまず決める。2点。敷地境界からこことここ。で、1本の線分が決まる。
そこから墨を出すのですが、建物より500~1000位の余裕を持った位置に杭を打ち、仮にぬき板を打ちまわしてそこに釘を打って糸を張るわけです。
基礎やさんはその糸の真下に基礎を打っていく訳です。
10m*15mの建物として。
1本の基準の線分はすでに決まっている。全ての建物が長方形とは限らないが、普通は4隅直角である。
トランシットって物を使った事が無いのだが、当時はこれで90度を出していたらしい。相当な精度であるらしい。今でも土木関係はこれで直角を出す。仰角も出るから山の高さも測れる。
オラ達の持っているレーザー墨出し器も曲(カネ、直角の事ね)が出せる。ただし、メーカーも50メートル先では3ミリの誤差が出るとか、あらかじめ歌っている。オラみたいな内装大工には十分な精度だ。多分トランシットなら100倍位の精度を持っているんだろうと思う。大工で持っている人なんていない。そんな精度必要ないから。
でも、ゼネコンや自治体は必ず持っている。百万では買えない機械だ。(今は知らない。レーザー墨だし機も出てきた当時は20万では買えなかった。精度も悪かった。今は5万で買える。ちなみにオラのは買値で10万だった。)
精度。
何ミリの違いまでは許されるのか?
先日ビークに成った新築分譲マンションでは3D方向に全て3ミリ間違うとヤリナオコだそうだ。2ミリ以内って事。
今日今の職長さんと休憩時間に聞いた話。
どこやらのマンションで2400Hの天井高。グロ(周りの事ね)で計るときっちり2400有ったそうだが、土間が一部悪かったらしくて、何処かでムクッていたらしい。そこへたまたま監督さんの定規が当たり、2395しか無かったゲナ。要は、土間がその部分は5ミリ盛り上がっていた。所詮左官さのやることは液体を平滑に均す仕事で、大工みたいに基本的に真っ直ぐなものを使う訳ではない。相手はあくまでも液体であって、そんな精度出るはずはない。
でも、結局大工のせいにさせられて、天井全部ブッ壊してヤリナオコ。5ミリ上げるだけの為に。
話しは戻って、ピン曲を出す為に最後の拠り所は対角線なんです。
さっきの10*15Mの長方形の建物。10mと15mはスケール使えば誰でも1ミリ差以内に測定できる。
昔の大工は3,4,5と言う方法を使う。
例えばある点から北へ3、東へ4.その2点を5で繋ぐと物理的に完璧な直角が出来る。寸法の単位は関係なし。メートルであろうが、尺であろうが、ヤードであろうが、その倍数であろうが。ピタゴラスの定義。
じゃ、10*15mの建物。対角線は?
10*10+15*15=325
ルート325=18.027
で、40角の垂木を杭にして、4分(1分は3ミリ*4=12m)位の薄い板を10mにも及んでいい加減に打ってある。
そこに釘を打って糸を張る。糸だけは確かに物理的に真っ直ぐだ。だけど・・・・・・
そこで対角線の精度を問われる。18027ミリの内10ミリは絶対にダメね。5ミリで許す監督と3ミリ以内にせよという監督と。
18027mが18032mだったとして、どの角を何ミリどっちへ動かせばいいのか?
気の遠くなるような話でしょ。
結局言うだけで実際には出来ない話し。
オラは20mの建物を対角線3ミリに納めた経験はアル。1回だけ。何べんやり直した事か・・・・・でも本当に3ミリに納まっていたのかは自分で納得しただけで、第三者に計測してもらった訳ではない。寝言の様な世界だ。
機械なら千分の一の精度は今日日当たり前だが、人間の目ではコンマ5ミリ・・・に近い・・・・と言う精度は出せるが、それがコンマ4なのかコンマ6なのかは誰も解らない。アハハ
猫死我生。