今手掛けている現場。

今日は行かない予定だった。

昼頃電話が来る。

「火事出しちゃってさぁ」

「ウッソに決まってる」


ホントに工事中に、工事のせいで出した火事でした。

すっ飛んで行きましたよ。


軽量下地と言うのが有るんですが、(一般に軽天と称します。垂木や胴縁といった木質材ではなく、薄い鉄で出来た柱などで壁や天井の下地を作ります。)施工時に良くアーク溶接を使うんです。その時出る火花が引火。

燃え易い物等が有れば当然養生をします。ガラスなんかも溶けて傷に成っちゃう。

ところがS造ALC建ての階段室で、オラが監督しても特に養生の必要は無いような場所。

そこに有ったんです。20*150mm位の小さな隙間。しかも1箇所だけ。

その狭い隙間から火の粉(真っ赤に溶けた鉄のほんの小さな粒です)が落ちて、たまたま3メーター下に有ったウレタンに引火したらしい。

始めは皆簡単に消せると思い消火器を持って余裕ぶっこいていたらしいが、ウレタンの火の回りの速い事。熱くて火元に近ずけ無かったらしい。

結局消防車10台とパトカー、救急車が出て、道路は閉鎖するは、テンヤワンヤの大騒ぎ。

全焼にはなりませんでしたが、ボヤと言うにはちょっと大き過ぎるボヤ騒ぎ。


軽天屋の若いし一人救急車で運ばれましたが、数時間で帰って来た。

怪我人居なくてよかったぁ。


1Fの部分が躯体以外は全損状態。
今回の新しい施工済み部分も1からやり直し。
電気配線(コイツはオラが請けている)全部ダメ!天井の塗装やり直コ。新品のエアコンも真っ黒け。



こんな事って有るんですねぇ。正直初めてなので驚きました。



実はこの軽天工事、曰くがありまして、当初オラが見積もっていた。
ちょっと高いと思ったが下請けさんの出し値にさらに乗っけて出したら「高すぎる!」

「そんじゃあ、安い所で勝手にやれば・・」

「じゃあ、軽天はこっちでやる。」

電気、設備、大工工事だけはやってくれ、って・・

こっちは一番乗っかっていて美味しい所を取られちゃったので、ケッタくそ悪いし、この現場一切手を引こうと思っていたんです。
でも、付き合いの長い元請さんだし、大事なお客さん。そう簡単に無下に出来ない。それで手を付けた。


あの値段が通っていて、軽天工事オラが請けていたら・・・全責任はオラに!

考えただけで背筋が凍ります。

オラは運が良かったのか?


さっき電気屋に電話して、「くれぐれも気お付けて施工しような!」と確認し合いました。
電気やガス工事は怖いですからねぇ。何年も経ってから大事故が起きます。




オラも下請けさんを使うことが有るので、請負者賠賞責任保険(請賠)に入って居るのですが(PLも)今年は金無いし、仕事も無いし・・保険やめちゃおうと思っていましたが、トンでもないですね。
入っておかなきゃ。

今回損害額ちょこ1千万位に成ると思うのですが、保険が無かったら全部オラの被りです。即死です。





でもある意味運が良かった元請さん。

・全焼、延焼しなかった事。
・死人や怪我人が無かった事。
・オラの紹介で、オラの勧めで3年前に請賠に入っていた事。(今日はその事で随分感謝されましたよ。)
・躯体に重大な損傷が無かった事。(建て直しに成っちゃう)


運が悪くて運の良い元請さんです。
兎に角この程度で済んだのはホント不幸中の幸いです。




猫飯糞寝。