「じゃ、まずはヨシアキにタマと友達になりたいって、お願いしてごらんなさい。
あなたの方がお願いするんだから、立場が下なの忘れちゃダメよ?」
「わかっています。」
「かわいげないなあ。」
まったく変わらない表情で即答する白夜くんの態度に、おれは思わずつぶやいた。
どうもわかっているとは思えないが、白夜くんはおれに向き直って、口を開いた。
「・・・ヨシアキさん。」
「なに、かな。」
さっきまでの流れで、おれは少し身構えてしまう。
「いきなり家族を奪おうとしたのは、確かに私のほうが性急だった。申し訳ない。」
申し訳なさが全く表情から伝わってこない。
と、いうより会ってからずっと彼は無表情だ。
でもそういう子なのかもしれない。
「うん、わかれば、いいよ。」
そういう子なのかも知れないけど、なんだかやっぱり納得しづらくて、おれはスムーズし返事ができなかった。
けれど、白夜くんは気にする様子もなく続ける。
「まずは、友達になりたいと思う。
決してあなたからタマを奪ったりはせぬ。
だから、伝えてもらえないだろうか。」
「・・・」
何て言う気なのかな。
表情と態度からは、あまり良い印象がない。
だけど、おれはただ彼の言葉を待ってみた。
「また、遊びにきてほしいと。」
合格だ。
誤解されやすいだけで、思ったほど傲慢じゃない。
素直な所もちゃんとあるじゃないか。
思わず顔がほころんでしまうおれ。
同じように微笑むりなさんと、目があった。
安心してタマと付き合わせることができる、そう確信して、
「うん、近いうちにつれてくるよ。」
と言うと、
「いや、タマだけでよい。」
と、返された。
「りなさぁん。」
おれはがっかりして、彼の保護者に呼びかけた。
「白夜くんっ!」
困り顔でしかりつけるりなさんを、白夜くんは何もわかっていない風に無表情のまま見つめるのだった。