翌朝、ショウリはさっそくタマの様子を聞きに来た。
ヨシアキはあまり元気がない。
「おい、タマ喜んだか?」
ショウリが話しかけるとヨシアキは肩を落とした。
「それがさあ」
「ん?」
「“ヨシアキ、これゾウキンだよー。”だって。」
ショウリは目をむいた。
「えぇーっ?!・・・だって、キツネだろ?
キツネはアブラゲ、ってばぁちゃんが・・・」
慌てて、言い訳のように昨日もした説明を繰り返す。
キツネといえば昔から油揚げときまっていて、ばあちゃんの言うことに間違いはないのだ、と。
ヨシアキも彼を責めているわけではないので、口ごもりながら昨晩のやりとりを話して聞かせた。
「ぼくも、そう思ったからとにかく食べてって言ったんだ。
そしたら、一口かじって、“あじ、ないー”って。」
ショウリは少し難しい顔になって
「そうか、そりゃ・・・そうだよな。
オレらだってあれそのまま食わねーもんな。」
といい、考え込んだ。
「アブラゲ、でしょ?おミソ汁、とか入ってるよね?」
ヨシアキもおいしい油揚げの食べ方を考える。
「んー、でも、みそ汁が好物ってどうなんだ?
あとは、うどんとか入ってるけど・・・なんか地味だよな。」
「そうだよねえ・・・。」
子供二人でうんうん考えても、他に思いつかない。
「やっぱ、もっかいばぁちゃんにきくか。他にないか。」
「そうだねー、ぼくも行っていい?」
「おー。」
この日ヨシアキは、学校帰りにそのままショウリの家に寄った。
すると、ショウリの祖母は
「ほほ、そうかい。
そうだねえ、じゃヨシアキちゃん、今日はうちでゴハン食べていきなさい。
今からおうち帰って、お母さんに言ってきな。
それから祥利、お金あげるから油揚げたくさん買っておいで。」
と言った。