今話題の小説を読みました。

瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』です。

 

 

今年の本屋大賞受賞で一躍話題になりましたね。

今日図書館に行ってきたのですが、瀬尾まいこさんの本は1冊もありませんでした。

 

このブログからもわかるように、私は瀬尾まいこさんの本が大好きなので、今回の受賞は本当に嬉しいです。

たくさんの方が瀬尾まいこさんの本を読んで好きになってくれたら嬉しいです。

 

今回の『そして、バトンは渡された』は、本当に特別な本です。

 

本棚のスペースの関係で単行本は買わないと決めているのですが、本屋でついつい立ち読みしてしまい我慢できずに購入してしまいました。

 

主人公の優子には2人の母と3人の父がいます。

幼いころ産みの母親を交通事故で亡くした優子。小学3年生で

父親が再婚し、2人目の母である梨花さんといっしょに暮らし始めます。
その後、父親のブラジル転勤に伴い、父親と梨花さんは離婚。
優子は日本で梨花さんと暮らすことを選択します。
その後、梨花さんの繰り返す再婚と離婚によって、新たに2人の父親が加わります。泉ヶ原さんと森宮さんです。
親が変わっていくなかで、主人公の生活が変わっていき、親の生活も変わっていく。
優子が旅立つ日までを描いた物語です。
 
あらすじだけ見ると複雑な家庭環境ですが、優子はそれに関して悩みを感じたことがありませんでした。
 
ブラジル転勤後も幾度となく手紙を送り続けた、実の父である水戸さん。主人公を幸せにするために一生懸命だった梨花さん大きい家に住んで、ピアノを習わせてくれた泉ヶ原さん、東大卒で一流企業に勤めてて、理屈っぽいのに抜けている森宮さん。
優子の親である誰もが、優子のことを本当に愛していることが分かります。
 
優子の高校卒業の日に、先生がくれた手紙に、
「あなたみたいに親にたくさんの愛情を注がれている人はなかなかいない」とあります。
高校時代の親は森宮さんのことを指しているのですが、
この描写の指しているのは、親全員のことだと感じます。
 
もちろん、優子が親たちのことを愛しているからこそ、
親たちも優子に愛情を注ぐのだとはおもうのですが。
 
それにしても、瀬尾まいこさんは優しい世界を書くのが本当に上手だなと思います。
 
それでは。
 
玲/Ray