【詩】バラバラに | 詩・短歌ブログ『ぼくらは青い宇宙の子ども』

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こんにちは!
このブログは、自作の詩、短歌などを投稿するブログです!

基本自己満だけど、癒しになったり、共感できたり、ワンダーを感じる一編が見つかったらうれしいです♪

『バラバラに』 



〜ルワンダ大虐殺に寄せて〜




神の子を


バラバラに


キレイなタイルの欠片(かけら) 欠片


ああ


なぜゾンビが


この柵の向こうから手を伸ばして


ぼくを捕まえてくれないのか


悪意なき悪意で


冒涜(ぼうとく)


ぼくをつかまえてくれないか


ぼくが生きることを

あきらめられるように






何万人もの村人は

えらいひとたちのいうことをきいて

きのうまでのともだちや となりのひとや

ときどきかぞくを ナタでころしていきました

そのひとたちはいきていてはいけないひとたちだったので

わらいながらころしていきました

そのひとたちはごきぶりなので くるしみながらしんでいくよう

とどめをささずにおいていきました

てあしをうしなったひとたちは

ゆっくりと くつうにもだえながら

しんでいきました

ひゃくまんにんがしにました

さつじんしゃたちは

けいむしょにはいりきりませんでした

いいえ

さつじんしゃたちがいなければ

くにをふっこうできませんでした

つぎつぎとゆるされて

かつてのともだちであり かぞくのかたきであり

わたしをきずつけたひとたちと

またりんじんになりました


かみのなのもとに すべては(ゆる)されています






もうこのほしにいることに


たえられません


ちぇー(山刀)てをぼくのうえに ふりおろしてください










※ルワンダ大虐殺


・1994年、フツ族がツチ族を計画的に大虐殺し、100日間で50〜100万人のツチ族、穏健派フツ族が殺されたとされるジェノサイド。


・アウシュビッツのユダヤ人大虐殺の3倍にも及ぶ人数に加え、混ざり合って暮らしていた隣人のフツ族が、フツ系大統領の暗殺後、突如として隣人を農具(マチェーテ:山刀)などで殺し始めるという特異性が注目された。


・被害者が苦しむようにとどめを刺さずに放置するなどの残虐行為も世界を震撼させた。


・元々あまり差異の無いツチ族とフツ族が互いを憎み合うようになったのは、植民地支配時代のベルギーの政策が大きく、アフリカの他国と同様、ヨーロッパの植民地支配の影響は大きい。

・加害者があまりにも多く、国の復興のためにも厳罰に処すことはできず、多くのかつての被害者、被害者の遺族と加害者が再び隣人となるという特異な状況が発生している。

・大統領暗殺による突発的な事態ではなく、フツ族はジェノサイドを準備していたと言われている。

・当時は識字率が低く、ラジオによる煽動せんどうに一般市民が盲目的に従ってしまう状態だったと言われている。

・カトリック、プロテスタント問わずキリスト教聖職者のジェノサイドへの加担も問題視された(自らの教会に隠れていたツチ族の信徒を、教会ごと皆殺しにさせるなど)。
なお、バチカンはカトリックのルワンダ大虐殺への責任を否定している。
キリスト教の信用の失墜から、虐殺に加担しなかったイスラム教へ改宗する者が増えたが、国民の大多数は今もキリスト教である。





23.7.1