【短歌集】希死母神(きしぼじん) | 詩・短歌ブログ『ぼくらは青い宇宙の子ども』

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こんにちは!
このブログは、自作の詩、短歌などを投稿するブログです!

基本自己満だけど、癒しになったり、共感できたり、ワンダーを感じる一編が見つかったらうれしいです♪

最後には救いがある…かも。





『希死母神』



生存の外側にいる(わたくし)は真空揺らめく煙草を吹かす



この命燃え盛るのが苦痛なら

死が恐怖とはひどい戯言(ざれごと)



生きていることに意味などないなんて

なら、さあ、ほら、早く、死ななきゃ



いつだって自殺しようと思ってる

刺殺(しさつ)しそうなぼくを止めるよ



ありとあらゆるものを否定し残るのは死骸(しがい)のようなぼくの意識だ



生まれない方が良かった昼下がり

排ガスまみれの青に飛び込む 



心臓が(はじ)ける真昼 太陽は(あか)く脈動して破裂する



安心して眠れるのなら地の底に飲まれてもいい母へと還る



特別に祝福している魂を消してくださる神の慈愛だ



後ろを見ていない除雪車にき潰される

素晴らしい!これはなんて素晴らしいことだ!!



ねえあたし明日辺りに死んでるわ

ねえあたし明日辺りに生まれたの



生も死も宇宙内でのことならばゴータマブッダとジルバを踊る





希死念慮(きしねんりょ)・・・自殺願望と同義とされることもあるが、自殺願望がある出来事から逃れるために強く死を願う状態であることに対し、希死念慮は「消えたい」、「楽になりたい」といった漠然と死を願う状態ともされる。



鬼子母神(きしぼじん)・・・訶梨帝母(かりていも)。人の子を食らう悪神であったが、自身の末子を釈迦に隠され、「子の一人を隠されても嘆き悲しむのに、ただ一人の子を失う親の気持ちはいかばかりか」と(さと)され、釈迦に帰依(きえ)する。後に子育てと安産の神となった。








23.2.21-3.31