妄想タイム(単発ストーリー)
桜を見るつもりじゃなかったんだけど
彼氏の正門くんと散歩していたら、偶然にも桜が見えてきた
川沿いに咲いているエリアに出たみたい
思ったよりまだ結構咲いてるねー
この道に出てきてラッキーだったねー
二人で静かに盛り上がりながら歩いた
少し進むとフードトラックが数台停まっていて、桜を眺められる場所に座れそう
「ちょっと休憩しましょう、ここに座って待っててください、飲み物買ってきます」と、スタスタと彼は行ってしまった
私は彼の後ろ姿に手を振った
ふぅ~、結局3駅分ぐらい歩いたのかも
疲れる訳だ(笑)
花粉症の自覚はないけど、花粉のせいか、乾燥しているせいか、今日は終日コンタクトと目の仲が悪い
まだ彼は帰ってこないから、今のうちに目薬入れておこうかな
アギャー、目薬ってこんなに染みる?
痛い、痛い、目が開けてられない
色々刺激されて鼻水まで出てきた
「どしたんですか?誰かに何かされたんですか?」
ん??どした、どした?
『おかえり、美味しそうな飲み物あった?』
「そんなことより、○○さん、泣いてるん?え?どないしたん?」
私の顔を覗き込みながら心配してる正門くん
『泣いてない、泣いてない、泣いてないよ、目薬入れたら染みてさ、痛かっただけ』
「はぁー、ビックリした、めっちゃ焦った…この短時間で何かあったんやないかって」
彼はそう言いながら私を強めに抱きしめてきた
『うはっ、うん、大丈夫だから、安心したまえ』
体を離すと、彼は恥ずかしそうにしてる
公共の場でギューっと抱きしめること自体、正門くんしてみたら今までになく大胆な行動だもんなぁ
なんだか新しい彼が見れたようでココロ踊る
少しこぼれてしまった飲み物がテーブルに2つ
急いで飛んできた彼の愛情は、買ってきてくれた【いちごミルク】より甘かった