妄想タイム


前回のストーリー 

 

【末澤サイド】


【なぁ、ちょっと付き合ってほしいんやけど?】


きょとん顔の姉ちゃんをよそに、俺は勢いに任せて話し続けた


【買い物!買い物付き合って!そろそろカノジョの誕生日近いし…】


へぇー、そうですか、そうですか、フフフーンとニヤニヤしながら、姉ちゃんは身支度に取りかかった



電車でピャッと行ったとこにあるからと連れて行かれたのは、アクセサリー屋が数件並ぶエリア


どないしよ、むっちゃ悩む!

ピアスにするか、ネックレスにするか、ブレスレットにするか


姉ちゃんは、というと…いっぱいあって楽しい!とあちこち見たり説明を聞いたりして、俺よりはるかに積極的



『色々見てきたけど、やっぱりこういうタイプのものが素敵だと思うなぁ』と、飛び回ってリサーチした結果を教えてくれた


【うん、センスええなぁ、この中なら、コレにするわ】


『私、向かいの雑貨屋見たいから、買い物済んだら迎えに来てね』


相変わらずのマイペースっぷりやけど、今回は好都合


確か、あの店員さんだったよな、さっき姉ちゃんと喋ってたのって


【スイマセン、さっきあの女性が…】




【お待たせ、あそこのカフェ行かん?腹減った】



軽く食事を済ませ、俺はタイミングを見計らって、姉ちゃんの目の前に小さなギフトバッグを置いた


【あのさ、これ】


『ん?何?私に?今日何の日だっけ?』


そんな見つめられても、俺の目に日付は書いてないんやけどな(苦笑)


【さっきの店で気に入ってる感じやったなぁて思って】


『うん、見てたけどさ…こんなの予想してなかったから、どうしよ、手が震えてきた』


【まぁ、うん、買い物のついで、っていうか…】


『ホントに貰っちゃってイイの??』


【おん、昨日の夜、迷惑かけたお詫びってのも、あるんやけど】


ふぅー


【昨日はあんな頼り方してもうたことは、ホンマに反省してる】


頼りたくなったのか、甘えたくなったのか、構ってほしくなったのか


自分でもどれが当てはまるか分からへんけど、無性に姉ちゃんの前で弟になりたくなった


半分だけ姉弟な関係やけど、それでも俺の中では大事な姉ちゃんであることは誰にも変えてほしくない



【これからも、んー、なんつったらええんやろ】


『ふふっ、頭ポリポリしてる誠也なんて初めて見た(笑)』


ヤッバ!恥ずかしくて顔上げられん


『ありがとう、とにかくめちゃくちゃ嬉しい、ねー、ハグしていい?』


【は?なんでやねん!どう考えてもアカンやろ!(笑)】


俺だって、姉ちゃんだって、相手がいるんやから、誰かに見られたら誤解されるやろがい!



【正直いうとな、正門と付き合うことになったって姉ちゃんから聞いたとき、どっかで気持ちがザラザラしてな】


【でも、俺と姉ちゃんの関係を正門に打ち明けたのは俺やったけど、その関係知った上で、付き合うってなった二人は大人やわ】


姉ちゃんは俺の話を一度もからかわずに聞いてくれた


『うん、ずっと私は誠也の味方だから、それは忘れないでおいてね、もちろんお母さんも、お父さんも』


おう、ありがとう

照れくさいけど、ありがとう



『そういえばさ、昨日すんごいハッキリと寝言言ってたけど、あれってワザと?』


姉ちゃんの切り替えの早さに、飲んでいたコーヒーでむせた


【ワザとちゃうわ!そんなダルいこと、せーへんて】


『そうよねー、姉ちゃんに手ぇ出したら腕へし折るぞ!ってコジマくんのこと脅してたよ』


【へし折るなんて言うてへんわ】


『うん、正解!言ってない(笑)覚えてるってことは、やっぱり寝言じゃなかったんじゃん』



はぁ、今日も姉ちゃんのイジワルが過ぎる、一生敵わんわ(笑)