妄想タイム



【藤ヶ谷です、LINEを教えてもらったのに、連絡しないままで申し訳ありませんでした】

驚きの再会から、すでに10日ほどが経過していた、彼のマイペースさは知ってるけどな(^_^;)

【例の件ですが、今日話せませんか?】

『いいよ、駅前のPRONTOで19時に』

と、返事をした


正門くんにも事前に伝えとこ

『今日、仕事終わりに藤ヶ谷くんとちょっと会って話すことになった』

【わかりました】
【家に着いたら連絡入れてください】

OKのスタンプを送り、携帯を伏せた


PRONTOを覗くと、すでに藤ヶ谷くんが座っていた

お待たせ、と声をかけるや否や、スッと立ち上がり

【色々、ご迷惑おかけしました】と頭を下げられた

いやいや、謝る相手は、私にじゃなくて元カノにだろ?

そんなキツめな言葉を一旦飲み込み、彼の謝罪したかった気持ちを受け入れた


『ホントに大変だった、パニックになったあの子をなだめるのに、どれだけパワー使ったか(-_-;)で、何があったのか、言える範囲で話してくれる?』

【結論から言うと、なんで焦ってプロポーズしちゃったんだろ?って自問自答してしまい、自信を失くしまして、全てから逃げました】

他にも理由あったんじゃないの?

【まぁ、色々と】

好きという気持ちだけでは埋められない何かがあったことを、私も勘づいていたので

それ以上聞かずに、ひとつため息をついた


『それで、私たちの職場が同じになった件を元カノに伝えるかどうか、の話よね、どうする?』

【職場が同じでも業務で絡まなければ、顔を合わせることは無いですよね、現に先週の月曜から会いませんでしたし】

言われた通り、確かに見かけなかった

今の段階では知らせないでおく、ってことにしましょう、となった


問題はクリアしたなぁとホッとした直後に

【あれから2年も経ちましたけど、あの人、もう新しい彼氏作ってますよね?】と聞かれた

その質問の意図はどっち向いてる?

『もしや、ヨリを戻したいとか?』

いや、僕には彼女の欲しているものを差し出すことが出来なかったので、と下を向いた

例えば?と尋ねると、藤ヶ谷くんは淡々とこう答えた

【例えば、僕が12色の色鉛筆しか持っていないのを分かっていながら、いくら混ぜても到底出せない色を彼女は欲しがる感じです】

あー、なるほどね、藤ヶ谷くんはもっと自分のことを深く見て欲しかったってことね?

と、私は思ったままを伝えた


【その通りです、○○さんみたいな理解者を僕も必要としてたんでしょうね、きっと】


続く