ガラス越しに聞こえてくる雑音…
肉と骨の隙間から躍動するエンジン…
世界の流れに飲まれすぎて…
単純な言葉も…
複雑か図形も…
配色の順番も…
みんなみんな…
薄まっていく…
数年前の午後の音色はこんなにも…
錆びていただろうか?
数年前のそらの色は捨てる前の混ざり切った絵の具の色に似ていただろうか…
喉に伝わる空気が埃を含み舌に残る感覚にとらわれる…
雲の位置も…
数えた言葉の数も…
脈打つ感覚も…
全て透明に…
透明と呼べるのかもわからない…
ただ飴のカケラをふくんだ水の味に似ている…
滲んだ季節に…
冷たい風…
午後の言葉…
ビロードのグラス…
越えられなかった塀…
落とした時間…
また会えるかな…
会えるといいな…
会いたいな…
もう一度微かに香るぶどうの水を…
もう一度微かに香るももの水を…
何色だったかな…
何色にしようかな…
口に含んだ水はもう次の味を探してる…
埃っぽい空気を消すために…