ふと思い出したかの様な暑い季節…
瞳を開く…
通り過ぎた凍えるような寒さの中…
3度ほどの瞬きの記憶…
たった13枚の扉に阻まれ…
僕は空を見上げる…
紫と黄色で出来た声は2枚の扉を開く…
ただ…
あの日見た景色を見たいから…
1枚目の扉を両手で握る…
黄金に輝く屋根と太鼓の音色…
近い景色が遠くで揺らめく…
壁に貼り付けた言葉遊び…
三色構成の48マスの和色の景色…
工場へと続く屋根は縞模様の猫のナワバリ…
三階から丸を出した僕に笑顔で喜ぶ2人…
203号室の冷たい鳥…
301号室の甘い香りのひまわり…
101号室の秘密の飛行機…
地下に隠されたサボテンの苗…
全てが懐かしい…
公園で出会った黄色の豚に…
二段上に設置された踊る草木…
1番左に設置された銀色のブリキ…
両手でつかんだ体温…
開かない扉…
3枚目の扉は開かない扉…
まだまだ開かない扉…
体温の色がキライみたい…
水の中で踊る絵の具の様な体温は…
固まった絵の具の様に不自由だ…
何色の体温を作ろう…
そんなことも忘れてしまった僕は…
ただただ…
空に飽きられ…
2枚の扉に施錠される…
また来年…
今度は扉の錆を眺め…
3枚目の扉を開けよう…
踊るような色合いで…