シンディの家を後にしてワタクシとシンディ、そしてべティ、シンディの兄二人はロビンソンに行きました、ここのコーヒーショップでのんびりするのがこのファミリーの憩いの時らしいのです。
ハッキリ言ってワタクシには退屈な時間でした、ファミリーの4人はタカログ語で話し、シンディと姉のべティは気を使いワタクシにたまに話かけてくれますが、アクビ連発のワタクシを見かねてシンディがホテルで休んでいるかと聞いてくるので、「そうするよ」とワタクシは席を立ちます、勿論コーヒー代はワタクシ持ちです、ホテルにはシンディは来るはずもありませんでした。
しかし、シンディにして見ればワタクシがフィリピンに来たときからスケジュールを立ててくれ、ワタクシが家に行きたいと言ったわけでも無いのに家に招き入れてくれたのは、気持ちがあったからかもしれません、彼女にしてみれば恋人への手順をワタクシに踏ませての事かもしれなかったのです。
どうしてそれが判ったか、日本に帰りワタクシは知人がシンディの客である事を知ったのです、彼はフィリピンにシンディに会いに行きたかったらしいのですが断られたらしいのです、彼に言わせればシンディがフィリピンでOKを出したのはワタクシだけだったらしいのですが、そんな事とはこの時判らないワタクシです、いや判ったにしても気持ちが無ければしょうがありません。
初めてシンディと会った時は「いいかも」と思っても、心が萎える、他のフィリピーナたちとも同じで子供のように、妹のように、そして友達までしか思えないワタクシ、シンディがホテルに一緒に来なくても特に寂しくないのです、ホテルでお昼寝して日が落ちた頃にシンディたちがやって来ました。
昼間別れた時にディスコに行くことを約束していたのです、さて、ディスコに行くとウェスタン風な作りです、と言って音楽は鳴っていて踊るスペースもあるのですが、日本のディスコを想像していたワタクシはかえってホッとしました、余りうるさすぎるのも卯っとおしく話も出来ないので少し安心しました。
しかし、退屈です、シンディに誘われて踊るものの気分が乗りません、それもそのはずワタクシの気持ちはサンドラからひょっとして電話がホテルに掛かっているのではないかと浮わついていたのです、シンディに誘われるままにディスコに来たものの気が気でないワタクシは全く楽しめないのです、ディスコが終わりホテルに帰った時、既に23時を回っていました。
受付に電話がなかったか確認したのですが、ありませんでした、ガックリしたワタクシは時間も時間だし遊びに行く気力もありませんでした、フィリピン2日目の夜も何もせずに眠るしかありませんでした、そして3日目の朝、今回フィリピンに来た主目的の風戸さんに頼まれたグロリアに会う日なのでした、グロリアにはフィリピンに来た日に電話を入れてホテルと日時を伝えていました。
正確な時間に現れたグロリア、ワタクシたちはホテルのテラスでコーヒーを飲みながら話ました、グロリアは風戸さんのお父さんが渡比直前に倒れたことが俄に信じられないという口調です、余りに偶然すぎる、風戸さんが結婚するのが本当は嫌になったのではないかと疑っているようでした、ワタクシもそう思ったくらいですからグロリアがそう思うのも無理はないでしょう。
しかし、お父さんが倒れたのは本当なのでした、ワタクシはフィリピンにいて判りませんでしたが、脳溢血で倒れそのまま亡くられていたのでした、そしてお父さんが亡くなった事で風戸さんは生活が変わってしまっていく事になるのでした。
次回に続きます、いつもご訪問頂きまして誠に有り難う御座います。