江川さんの車で小岩に着いたワタクシたち、この店は当時フィリピンパブのベストテンに選ばれた事も有るらしいタレントを中心にした店なのでした。
この日は日曜日でそれほどの混雑もなく、店に入るとまるで劇場のような作りの店でした、いや実際過去は劇場だったのでしょう、ステージは横に20メートルもあり奥行きも3メートルありました、客席は途中から雛壇のようになっていて下の客席やステージを一望出来るようになっていました、女性の数も40人以上はいたでしょう、江川さんは過去一度来たことがあるらしいのですが、ワタクシは勿論始めてです、店の店長が来て「フィリピーナは沢山いますから自分の納得する子をお選び下さい」と言ったのがワタクシには名言に聞こえたのでした。
そして10分刻みに次から次に女の子がワタクシたちの隣に来ては去りして入れ替わっていきます、しかしワタクシ好みの女性は現れません、中にはワタクシをタイプだと言う女の子、生意気だと言う女の子約7.8人も変わった時江川さんが
「レ、レイスリーさん、悪いんだけど、そ、その娘」
どうやら江川さんはワタクシの隣についた女性が気になり自分の隣の子と代えてくれないかと言うのです、その女性ワタクシから見たら田舎臭い女の子に見えたのですが、それが江川さんには新鮮に見えたのかもしれません。
その娘は日本に来て2ヶ月のファーストタイマーで名前はメイと言いフィリピンはブラカン出身の娘でいかにものほほんとした世間知らずの雰囲気を持った娘でした、どうやら江川さんこの娘に一目惚れをしてしまったようなのでした、そしてここから江川さんの怒涛の快進撃が始まる事なってしまいワタクシは巻き込まれていくのですが、ワタクシは相変わらず相手選びに難航し取り敢えずメイが慕っていたアルバイトのカティと言う女の子を何の気なしにチョイスしたのです、しかし、これが失敗となってしまったのでした。
さて、ワタクシはお金の問題もあり帰る事を江川さんに催促します、後ろ髪を引かれるように帰る江川さん、帰りの車の中で
「いやー、メイいいですねー、ああいうタイプ好きなんですよ」
しきりにメイの事を話します、そして次の日の夕方に江川さんから電話です、小岩の店に付き合って欲しいとワタクシにお願いです、ワタクシはお金が無いことを告げるとどうにかするのでと懇願です、メイに惚れた弱みなのでしょう、結局ワタクシも付き合う事になってしまいました。
2日続けてのフィリピンパブ、入って行くと女の子たちは‘誰を選ぶの視線,をおもいっきり浴びせてきます、そして風采の挙がらないファーストタイマーのメイとベテランのアルバイトのカティが選ばれて女の子たちはその意外性にざわめいていたようにワタクシは感じ取っていました、そして江川さんとメイ、通訳のカティという感じで時は経っていきます、ワタクシはショータイムとモデリングだけを楽しみに見ていました、と言っても店が広く顔がはっきり見えないのが難でしたが、フィリピーナたちが笑顔を振り撒き格好をつけてステージを歩く姿はなかなか面白く興味深いものでした。
モデリングが終わり帰ってきたカティがワタクシにお願いがあると言うのですが、それは携帯電話でした、当時のワタクシはフィリピン人との付き合いも少なく簡単に信じすぎたかもしれません、次の日に錦糸町のディスカウントショップで時間を約束してしまったのでした、そして江川さんとメイは楽しそうにしていました、その日は最後まで店にいてしまうの事になりました、完全にファーストタイマーのメイに嵌まってしまった江川さん、そしてフィリピンパブ通いの連チャン地獄はまだ始まったばかりなのでした。
次回に続きます、いつもご訪問誠に有り難うございます。