168.ハルの微笑み.112 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ネットワークの仕事でやっと月200万円ほど稼げるようになったワタクシです、この調子なら銀行の借金も返していけるとホッとしたのもつかの間、ある日の新聞にネットワークで扱っている商品関連の悪い記事が一面に出てしまったのです。



直接その商品には関係はしないのですが、新聞には関連商品で書かれてしまったのです、その記事が出てドーンと売上は落ちてしまったのです、見通しは一気に暗くなってしまいました、もぐら叩きのもぐらのように仕事が順調に行きそうになると叩かれてしまう人生、どうしてなのかそれがワタクシの運命なのかと嘆きました、しかし嘆いたところでどうしょうもありません。


翌日ワタクシは銀行の融資係に向かます、目的は勿論新たな融資と返済金の縮小です、しかしにべもなく断られてしまいました、数ヶ月前に営業マンが言っていた事とまるで違っていました、「ある程度返済が進めばまた融資する」この銀行マンの言葉に騙されて数万件の中小企業が倒産に追い込まれました、ワタクシも返済額が増えたため運転資金が毎月減るばかりでした、その為全てを節約するのですがとても追い付きません。


ワタクシはタイにいる雪子に電話しました、事情を説明し毎月送っているお金を減額する事を告げました、
雪子「オニイチャーン、ダメヨ、オネガイシマス」


ワタクシ「全然送らないんじゃあないんだから、しばらく頑張ってくれよ、頼むよ」
すると意外な事を言い出した雪子です
「ユキコ ジャパンニ イクナ、オニイチャン ワ タイ二 キテ マッテルナ!」
雪子は自分が日本に来て仕事をするからワタクシがタイに行き家で雪子から送られてくるお金を待っていろというのです、考えてもみない提案です、一瞬頭に「それも悪くないかも」とよぎるのですが、どうしょうもない馬鹿なワタクシでも親父、お袋を含む家族を捨ててまで飲む事の出来ない提案です。


しかし雪子は次第にハイテンションになり
「ジャパンニ イッテ オニイチャン タスケルナー」と連呼し始めたのです、過去一度怒って電話を切った為に雪子は日本に来て300万円を払ったワタクシです、雪子が日本に来てワタクシを助ける、或いはワタクシがタイで待っている、いずれにしろ本気で言っているのは間違いないでしょう、それはそれで有難いのですが、日本に来た時に支払う300万円の事をどう考えているのか、または全く考えていないような雪子、これがこの娘の恐ろしいところです、熱くなったら後先考えない雪子の性格に電話を切った後も怯えるワタクシでした。

次の日曜日、ワタクシと夕子は錦糸町のパチンコ屋におりました、前回ラッキーで二人で10万以上勝ち家賃を払らいまた今回もとやって来たのです、1人5万円を持ち負けたらそれ以上はやらないと決めてスタートしました、ワタクシは2万ほど使ったところで確変を引き10箱ほど積んだのですが夕子がワタクシのところに来て手を出すのです、5万円全てスッテしまって貸してくれというのです、ワタクシは残り3万円を渡しました、しばらくしてワタクシは精算して夕子の方へ見に行きました、夕子がやっていたのは「フルーツパッション」という台でした、どうやら3連チャンの後全部飲まれて追いかけ2連チャン、それも飲まれて更に追いかけているのです。


熱くなっている夕子は精算したワタクシに更に2万円貸せと言います、黙って差し出し2万円は消えて終わりワタクシは本当なら5万円のプラスが0に夕子は10万円の負けとなり引き上げました、熱くなると自分で歯止めをかけれない夕子を見ていてワタクシは一抹の不安を感じていました、タイにいて熱くなっている雪子、一度あることは二度ある、その不安が現実のものになってしまう時が近づいていたのでした。



次回に続く、いつもご訪問頂きまして誠にありがとうございます。