129.ハルの微笑み.73 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシの事務所に本間さんが来ていました、本間さんはタイ語も話せてタイの事は詳しいと思いタイの不動産関係の資料と共に来てもらったのでした。



ワタクシ「そうか、タイはやっぱり日本人は家を買えないのかー」


本間さん「そうなんですよ、コンドミニアムなら買えるんですけどねぇ」

ワタクシ「やっぱりコンドミニアムの方が安いんだろうけどなあ、家だとどれくらいするのかねぇ?」


本間さん「勿論場所と大きさにもよりけりですけど、例えばバンコクでも高級住宅街なら2千万円位しますしインフラなど便や治安が悪いところはグッと下がります、アジアの不動産というのは地区によってピンきりなんで行って見てみて自分で確認しないといけませんよね」


ワタクシ「フム~、成る程ねえ、バンコクで2千万円なら雪子の田舎なら半分の1千万円位考えとけば間違いないか」
インターネットもない時代の事です、タイで家を買うにしても何もかもちんぷんかんぷんのワタクシは手探りで情報を集めるしかないのでした。


10日ほどして雪子の元に弟夫婦から雪子の地元の分譲中の家の資料が幾つか送られて来ました、それを見てこれがいいあれがいいと一人盛り上がる雪子ですがお金の事を考えるとワタクシの心中は穏やかではいられません。


800万円か1000万円なのかは判りませんが、いずれにしろ一括で支払いは出来ない事で雪子を納得をさせていましたが、それでも頭金が数百万円は出てしまう事になるのです、銀行のローンが通るかも判りませんが家の名義人は雪子になりお金だけ払いワタクシには家に対して何の権利もないのです。


余分な資金があればそれも笑って済ます事が出来ますがワタクシの心は揺れまくっていました、それに家を買うとなれば雪子はタイに帰らなければならないのです、たった数ヶ月前に300万円も払ったというのに我慢し自分でもう少し頑張ろうという気持ちが全くない事もワタクシに二の足を踏ませる原因の一つだったのです。


果たせるかな雪子はタイに帰るといい始めました、当時ワタクシの仕事は順調に推移していました、大学病院での材料も全て納めていましたし、インジウムという金属も情報通り値上がりし始め含み益は数百万円あり株式投資も同じく数百万円の含み益があったのですが、会社を起こして2年目で利益分は蓄えたかった事と利益を確定するまでは出費はしたくなかったのでした。


せめて後、半年辛抱してくれればとワタクシはリカコママに電話を入れました、
リカコママ「ソウナノ ホントニ レイスリーサン ワ タイヘンダー」


ワタクシ「そうなんだよママ、どうにか雪子に後少し日本で頑張るように言ってくれないかな」


リカコママ「ウン、イイヨ ヤッテミル」


ワタクシ「リカコママ 頼んだよ!」
雪子が日本に来た時にお金で揉めたリカコママですがこういう事には協力的でした。


リカコママとの電話を切ると「ピンポーン」とインターホンが鳴ったのです、先日リカコママの店に行った時に隣の席に座っていた江川さんが相談があるのでと訪ねて来たのでした。


ワタクシ「先日はどうも、どうしたんですか相談って」
始めてワタクシの事務所に来てキョロキョロする江川さんの相談とは一体何なのか。



次回に続きます、いつもご来席頂きまして誠に有り難うございます。