123.ハルの微笑み.67 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
雪子が戻って来てからは平穏な日々が続いていました、と言うより雪子との甘い生活を堪能していた時でした。



ある日の朝に事務所にワタクシはマンションの前で銀行の営業マンに出くわしました、毎月やっている会社名義の積み立て分の印鑑が欲しくて待っていたようなのでした、一緒に事務所に入ろうとすると鍵があいているのです、ひょっとしてと思い中に入り銀行マンを中に招き入れ中扉を開くと誰もいません、しかし中扉のガラス越しに雪子の顔が見えたのです、ワタクシが他の人と入って来たので慌てて隠れたようなのでした、銀行マンは用を済まし直ぐに帰ると雪子が出て来て
雪子「オニイチャーン、ユキコ ビックリシタナー」


ワタクシ「何やってるの~、お兄ちゃんのほうがビックリしたよー!」
ワタクシはいつでも入れるように鍵を渡していたのでした、ワタクシからしたらこの子供のような雪子の行動が愛すべきものだったのかもしれません。


雪子は週に3度は朝ワタクシの事務所にやって来て必ずタイ料理を作って鍋やお皿を抱えてやってくるのでした、仕事が終わってからアパートで他の女の子が寝る頃に料理を作りそれからタクシーに乗り事務所にやって来てワタクシが来るのを待っているのでした、そして二人でご飯を食べ終わると雪子は安心し満足そうに夕方までソファーで寝るのでした。


ある日、いつものように雪子が事務所に来て食事をし寝て起きたところでハルから電話が入ったのでした、ハルには毎月送金を続けていましたが雪子と関係を持ってからは電話をする機会が減っていたのです、雪子がいるため深い話しは出来ませんが月末に送金する事を伝え受話器を置きました、ハルもワタクシからの電話の少なさに疑念を持っていたに違いありません、雪子は怖い顔をしてワタクシを睨み付けていました、話しの内容を理解したのか二人は怒鳴りあいの喧嘩になってしまい雪子は怒って事務所を飛び出して行ったのです、ワタクシはしばらくして追いかけたのですがタクシーに乗りアパートに帰ってしまったようでした。


ワタクシは「チェ」と舌打ちをしながらタクシーで雪子のアパートに向かいました、アパートは江東橋にあり雪子の部屋は6階建ての4階です、アパート前の道路から電話を入れると出たのはミユキでした、
ミユキ「レイスリーサン ドウシタノ ユキコ ナイテ カエッテ キタヨー」

ワタクシ「えっ、泣いてたの、ちょっと代わってくれる」


雪子「ハロー、ナンデスカ!」


ワタクシ「何ですかって、今下にいるんだよ」
ガチャンと電話を切った雪子が部屋のバルコニーに現れ何か叫んでいます、マンションの4階から叫んでいるので道行く人達がなんだなんだとワタクシと4階の雪子を見ています、叫び疲れたのか5分ほどして雪子がおいでおいでと手招きします、しゃくにさわりましたがイソイソと4階に上がると怖い顔をした雪子が腕を組んで仁王立ちなっていました。


ワタクシ「どうしたの、そんなとこ立って」
そうすると雪子は中に入れとまたまた手招きします、部屋にはいると女の子達がうろうろとしてるのです、ワタクシを見て「レイスリーさんどうしたの~」とからかい笑うのでした、台所にはいるとタイ料理が皿に盛られており雪子はワタクシにそれを食べろと言うのです、食べたくないのですが食べないとうるさそうなので口に運ぶと
雪子「オニイチャンナ ユキコ ワ アイシテルナ オニイチャンモ アイシテル ヒトリガ イイナー」
と言って涙を流すのでした、ワタクシは何も言えませんでした
雪子「オニイチャン ユキコ アイシテナイナー」と更にボロボロと泣きはじめた雪子を見ながら
ワタクシ「そんな事はないよ、雪子の事を愛してるよ」


雪子「ホントウナー ユキコ アイシテルナ オニイチャンヲ」

女の涙は強力な武器なのです、激しい怒りとこの涙の落差にワタクシは更にハマって行く事になるのでした。



次回に続きます、いつもご来訪いただきまして誠に有り難う御座います。