72.ハルの微笑み.17 | マリンタワー フィリピーナと僕といつも母さん byレイスリー
ワタクシと梅津君はママからの連絡を待っていました、その間も客がやって来ては女の子がいないと聞いて帰るという繰り返しでした。


そこに本間さんが話を聞き付けてやって来ました、大量検挙の話はあっという間に錦糸町中に広がっていたのです。


本間さん「レイスリーさん入官来たんですって」

レイスリー「うん、ちょうど皆が出てきたところに出くわしてね、夕子も泣いてたよ」


本間さん「本当ですか、夕子泣いてましたか....ママはどうしたんですか?」


ワタクシ「今連絡待ってるところなんだよ」


しばらくするとママから電話が入って来ました、さくらが話が終わり替わります、5分ほど話し受話器を置きました。
ワタクシ「みんな板橋の入官に連れて行かれたらしい、面会出来るらしいから明日の朝ママと一緒に入官に行くから、梅津君どうする」


梅津君「もちろん、行きますよ!」


本間さん「僕も一緒させて下さい」
ママとは現地の駅で落ち合う事にしてワタクシ、梅津君、本間さんの3人は錦糸町駅で落ち合って一緒に行く事にしました。

ワタクシと梅津君はサウナに泊まり横になると考えたくなくても様々な思いが頭に浮かんでくるのです、ハルと初めての出会い、カラオケを歌うハル、食事をするハル、何故か全て微笑んでいるハルばかりを思い出してしまいます。


そしてワタクシ、ハル、梅津君、エミの4人での楽しく癒される時はもう訪れないのです、それどころかハルが強制送還されてしまえばもう合うこともないかもしれない、色々な考えをしている間に朝になってしまいました。


梅津君とマックで食事をし銀行に行きに20万円をおろし懐にしまいました、ハルに渡せるかどうか解りませんが準備だけはしたかったのです、梅津君も10万円おろしたようでした、そして本間さんと落ち合い入官に向かいます、梅津君が呟きます「エミちゃん、眠れたかなぁ、本当に会えるかなぁ」いつも能天気な梅津君もこの時だけは心配そうでした。


板橋の入国管理局に到着しました、そこは鉄筋で4階建てを横に広がっていて学校なような作りをした建物でした、
ワタクシ
「ここにハルやみんながいるのか」

入り口にみつえママが立って昨日と同じようにワタクシ達に手を合わせています、
みつえママ「レイスリーさん本当ごめんね、あなたの言った通りだったわ」
ワタクシは移ったばかりの店から前の店に戻すのは反対だという事をママに言っていたのです、しかしみつえママは強行に前の店に戻しその1週間後に捜査に踏み込まれたのです。


ワタクシ「もう過ぎ去った事だよママ、さあ行こうみんなが待ってるよ」

ワタクシ達4人は入国管理局の門をくぐるのでした。



次回に続きます。毎度のご来訪誠に有り難うございます。