夏休みの季節なのに忙しい毎日が続いているこの頃、週末は久しぶりにゆっくりと。




取り出したのはヴィーラント・クイケンの無伴奏ヴィオラ・ダ・ガンバ曲集。弟のシギスヴァルト(バロックヴァイオリン)とバルトルト(フラウトトラヴェルソ)と共にベルギー・オランダ学派を牽引してきたバロックチェロ/ヴィオラ・ダ・ガンバの名手、古楽界の導師として尊崇を集めたヴィーラント・クイケンが、16世紀バロック初期から18世紀古典派初期までヴィオラ・ダ・ガンバのソロ曲を収めた名盤です。










 
カール・フリードリヒ・アーベル 「5つの小品ニ短調」


父親のクリスティアン・フェルディナンド・アーベルは、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが楽長を務めていた時のケーテン宮廷楽団の首席ヴィオラ・ダ・ガンバおよびチェロ奏者。大バッハの「無伴奏チェロ組曲」は彼による演奏を想定して作曲されたとも。
バッハ家との縁は子世代へと受け継がれ、ロンドンに渡ったカール・フリードリヒはヨハン・クリスティアン・バッハと予約制定期演奏会「バッハ=アーベル・コンサート」企画し大成功を収めます。しかし好事魔多し、後に興行事業に失敗し、失意のまま酒浸りの晩年へと。
彼はヴィオラ・ダ・ガンバの稀代の名手でもあり、数多くの作品を残しています。フレット付きの六弦楽器、繊細で幽玄な魅力のヴィオラ・ダ・ガンバ、バロック音楽に無くてなならない存在でしたが、ロココ以降は音域が近く表現力に勝るチェロに取って代られ衰退します。大バッハ「無伴奏」の数十年のち、敢えてアーベルがヴィオラ・ダ・ガンバのために残した作品群は、遅れてやってきた最後の名手が楽器の可能性を極限まで追求し到達した金字塔。時代を超えた深い感動を私たちに与えてくれます。





音楽のお供には、和紅茶のレモンティーを…




















真夏のお庭に出るとたわわに実った二本のブルーベリーの木が。早速、収穫し冷やしていただくと、自然な甘みと酸味の個性豊かなコントラスト。











デザートに冷たいフルーツポンチを作りました。











涼しさ溢れる爽やかなひととき。