全国的にコロナ感染者が増加していた。特に東京では爆発的な感染拡大により医療現場も崩壊寸前。感染してしまった人が入院できず自宅療養を余儀なくされそのまま亡くなるケースまで起きている。
はっきりとした持病があるわけではないが肺も気管支も弱かった。
現在の医療状況なら、もし感染すればアウトだろう。
盆休みが終わって病院が再開したら行こうと思っていたが、短期間のうちに世界は想像以上に悲惨なことになっていた。
ワクチンの接種。
色々理由をつけて静観していたがやるしかなさそうだ。しかし一番近い会場でもオレにとっては負担が大き過ぎる。やはり当初の予定どおり手術を先にするべきか。
知り合いから朗報が舞い込んだ。
歩いて行ける場所でワクチン接種を受けられるというのだ。オレの諸々の事情を知っているので声をかけてくれたらしい。まさに渡りに船。すぐに頼んだ。
二十五日に最初の接種を完了。副反応は注射したところが殴られたように痛むのと微熱程度。倦怠感はほぼない。むしろ外出したことで精神的に疲弊したほうが大きい。やはり進行しているんだろうな。
二度目の接種は三週間後で九月半ば。手術を受けるために行動を起こすのはそのさらにあとになる。
なかなか思うように事が進まず焦りもあるが、今まで耐えてきたんだ無理せず慎重に確実に、ゆっくり進もう。